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» 2014年09月03日 18時50分 UPDATE

スズキ「キャリイ」と比較:新型「ハイゼット トラック」は農業女子と高齢者を意識 (1/4)

ダイハツ工業は、軽トラック「ハイゼット トラック」の新モデルを発表した。軽乗用車と同様に多様化する顧客の需要に応えて、全8色のボディカラーや用途や志向に合わせた装備パックを用意するとともに、軽トラックのJC08モード燃費でトップとなる19.6km/l(リットル)を実現した。

[朴尚洙,MONOist]
新型「ハイゼット トラック」は農業女子と高齢者を意識

 ダイハツ工業は2014年9月2日、軽トラック「ハイゼット トラック」の新モデルを発表した。従来モデルを発表した1999年以来、15年ぶりのフルモデルチェンジとなる。乗用の軽自動車と同様に多様化する顧客の需要に応えて、全8色のボディカラーや用途や志向に合わせた装備パックを用意するとともに、低燃費化技術「e:S(イース)テクノロジー」を導入して軽トラックでトップとなる19.6km/l(リットル)のJC08モード燃費を実現した。税込み価格は、「スタンダード“エアコン・パワステレス”グレード」の2WD/5MTモデルの65万3400円から、「エクストラグレード」の4WD/4ATモデルの119万8800円となっている。月間販売目標台数は5000台。

sp_140903daihatsu_01.jpgsp_140903daihatsu_02.jpgsp_140903daihatsu_03.jpg 新型「ハイゼット トラック」の外観。軽トラックながら全8色からボディカラーを選択できる(クリックで拡大)

 ハイゼット トラックは1960年の初代モデル発売以降、累計で398万台以上を売り上げている軽トラックである。2010〜2013年の直近4年間でトップシェアを維持し続けるなど、軽トラックを代表する車両だ。今回のフルモデルチェンジで10代目となる。

新型「ハイゼット トラック」とダイハツ工業の三井正則氏 新型「ハイゼット トラック」とダイハツ工業の三井正則氏(クリックで拡大)

 同社社長の三井正則氏は、「これまでの軽トラックは、たくさん積めること、丈夫であることが重視されてきた。しかし近年になって、軽トラックのユーザー層や用途は多様化している。そこで、全国各地の軽トラックユーザーからヒアリングした結果を新モデルの開発に反映し、これからの時代にふさわしい『誰にでも使いやすい軽トラック』に仕上げた」と語る。

 また三井氏は、日本で軽トラックが果たしてきた役割についても言及した。「軽トラックは日本のあらゆる産業を支えてきた、いわば日本の文化であり、軽自動車の原点ともいえる。軽自動車のやるべきことを、軽自動車らしい商品に仕上げてお客さまに届けるのが、軽自動車メーカーであるダイハツの使命だと考えている。そういう意味で数多くの改良を盛り込んだ新型ハイゼット トラックは、日本中で働くお客さまに自信を持ってお届けできる1台になったと感じている」(同氏)。

高齢者や女性でも乗り降りしやすい

 新型ハイゼット トラックの特徴は4つある。

 1つ目は「仕事がしやすい」だ。ハイゼット トラックのユーザーのうち、60歳以上が占める比率は2005年の37%から2012年に47%へ増えている。また女性比率も、2005年の5%が2012年には8%となっている。これらの高齢者や女性が乗り降りしやすいように、キャビンフロア高を40mm下げて415mmとした。またドア開度も54度から67度に拡大。ドア開口部の広さは、269mm広がって1080mmとなった。

新型「ハイゼット トラック」は乗降性を高め、室内空間も広げた 新型「ハイゼット トラック」は乗降性を高め、室内空間も広げた(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

 フロントガラスを従来モデルよりも約70mm前方に出し、ステアリング角度を40度に変更することで、キャビンの室内空間も広がった。運転席のシートスライド量は140mmとなり、ドライバーの着座可能身長も173cmから180cmまで拡大した。

 室内収納はさまざまな仕事道具を収納できるよう、リングファイルが入るグローブボックスや、1lサイズの紙パックを置いておけるセンターカップホルダーなど20カ所を設定。総収納容量は21lに達する。

20カ所設定した室内収納 20カ所設定した室内収納(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

 室内空間を広げる一方で、荷台への積載容量に関わる荷台フロア長を10mm伸ばして、2030mmとし、従来と変わらない要求である「たくさん積める」も満足させている。

新型「ハイゼット トラック」の荷台サイズ 新型「ハイゼット トラック」の荷台サイズ(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

 フロントサスペンションをテンションタイプからコンプレッションタイプに変更し、路面の凹凸による走行中のノーズダイブ現象(車台の沈み込み)を低減。スプリング・アブソーバの特性やロアアームの変更により、操縦安定性と乗り心地も向上した。

ノーズダイブ現象の低減 ノーズダイブ現象の低減(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業

 静粛性についても改良を図った。ステアリング剛性の向上とボディ感度の改善によって音を伝わりにくくするとともに、マフラー容量の拡大でノイズの発生そのものも抑制した。さらに軽トラックユーザーにおける自動変速機搭載モデル選択率の高まりを受けて、従来の3速ATに替えて、より静粛性が高い電子制御式4速ATを採用した。

静粛性を向上するための施策 静粛性を向上するための施策(クリックで拡大) 出典:ダイハツ工業
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