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» 2014年09月10日 10時00分 UPDATE

3D道場も開講予定:世田谷ものづくり学校が「ファブ」になる! 個人や中小企業のモノづくりを支援 (1/2)

IID 世田谷ものづくり学校(IID)の運営企業であるものづくり学校は、オリックス・レンテック、ケイズデザインラボと共同で、IID内に3Dプリンタや3Dスキャナなど3次元デジタルツールを備えた「プロトタイピングルーム」を開設したと発表。個人や中小製造業者などの製品の試作・開発の支援を目的とし、3社共同でプロトタイピングルームの貸し出しや製造の受託サービスなどを提供する。

[陰山遼将,MONOist]
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 IID 世田谷ものづくり学校(以下、IID)の運営企業であるものづくり学校は2014年9月8日、東京都内で会見を開き、オリックス・レンテック、ケイズデザインラボと共同で、IID内に3Dプリンタや3Dスキャナなど3次元デジタルツールを備えた「プロトタイピングルーム」を開設したと発表した。個人や中小製造業者などの製品の試作・開発の支援を目的とし、3社共同でプロトタイピングルームの貸し出しや製造の受託サービスなどを提供する。


新たなモノづくりの実験拠点

rk_140909_setagaya01.jpgrk_140909_setagaya02.jpg IID 世田谷ものづくり学校内に開設された「プロトタイピングルーム」(左)と、同学校内に併設されているその他の施設(右)(クリックで拡大)出典:IID 世田谷ものづくり学校

 IIDは2004年に廃校になった校舎を再生活用した施設。さまざまな分野のクリエイターの誘致や商品の展示、モノづくりにまつわるワークショップなどを行っている。校内には、木材を加工する工房や映像編集室も併設されており、今回のプロトタイピングルームの開設を機に、こうした設備全体を「IID Lab」と総称し、新しいモノづくりの実験施設として運営していくという。

rk_140909_setagaya03.jpgrk_140909_setagaya04.jpg ものづくり学校 代表取締役の高山勝樹氏(左)とオリックス・レンテック 取締役社長の岡本雅之氏(右)

 ものづくり学校 代表取締役の高山勝樹氏は会見で、「今回、3次元デジタルツールを導入したことで、IIDの中で製品の企画立案から、試作、プレゼンテーション、商品の展示や販売など、モノづくりに必要なほとんどのプロセスを行えるようになった。また、IIDでは地域コミュニティーを活用して、小学校の教育プログラムで3Dプリンタなどを利用することも試みていく。また、3次元デジタルツールをビジネスに活用するための、企業向け教育プログラムの提供も検討している」と説明した。

 会見には、オリックス・レンテック 取締役社長の岡本雅之氏も登壇した。同社は主に精密測定機器などのレンタル事業を手掛けている。岡本氏は今回のプロトタイピングルームの共同開設について「中堅・中小企業における3Dプリンタの活用を広げていきたい。導入コストが抑えられるため、IID Labのようなレンタルスペースは有効な方法ではないかと考えている。また、IID Labを通して3Dプリンタなどを扱える人材の育成にも注力していきたい。オリックス・レンテックは自社のネットワークを利用して、企業へのIID Labに関連する情報提供や誘致を行い運営をサポートしていく」と説明した。

“製品化”が目標の地域に根差したモノづくり施設

rk_140909_setagaya05.jpgrk_140909_setagaya06.jpg ケイズデザインラボ 代表取締役社長 原雄司氏(左)と、これまでに同社が手掛けてきた製品(右)(クリックで拡大)出典:ケイズデザインラボ

 会見では、ケイズデザインラボ 代表取締役社長の原雄司氏も登壇した。ケイズデザインラボでは、3次元デジタルツールを用いた製品の企画・開発の他、企業や教育機関への3Dプリンタなどの導入支援、モノづくり施設の運営サポートも手掛けている。

rk_140909_setagaya07.jpgrk_140909_setagaya08.jpg 原氏が作成した代表的なモノづくり施設のマッピング(左)と同氏が開講している「3D道場」(右)(クリックで拡大)出典:ケイズデザインラボ

 原氏は「3Dプリンタやレーザーカッターなどを備えたモノづくり施設の多くは、個人の趣味の延長で利用されることが一般的だった。3Dプリンタなどを利用するワークショップに参加して楽しいと感じることは大切だが、それだけで終わってしまうと今後の日本のモノづくりは盛り上がらないと思う。IID Labでは実際に3次元デジタルツールを利用して製品を開発し、ビジネスとして展開することも見据えている場所」と説明した。

 また同氏は、「IID Labは、周辺地域との連携が可能なローカルな立ち位置のモノづくり施設だというのが面白い。一般的に、3Dプリンタなどを利用できる施設は都市部に位置するが、IID Labは学校や住宅に囲まれている。そのため、実際に製品を開発したら、ワークショップを開催してすぐにフィールドテストを行うことも可能。このように地域に根差したモノづくりを行い、実際に製品を生み出していくことが重要ではないか」と語った。

 今後、ケイズデザインラボは同社が主催している3Dツールのスキルを学ぶセミナー「3D道場」を、IIDでも開講する予定だ。また、プロトタイピングルームにアドバイザーとしてケイズデザインラボのスタッフや原氏本人が交代で訪れることも検討しているという。

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