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» 2014年09月25日 15時23分 UPDATE

3Dプリンタの活用も:ダイソンの革新的製品は失敗の集大成から生まれた――「DC74」「AM09」を発表 (1/2)

ダイソンは、新型コードレス掃除機「ダイソン Fluffy コードレスクリーナー DC74 モーターヘッド」と、暖房と送風機能を搭載した「ダイソン Hot+Cool ファンヒーター AM09」を発表。開発責任者が、製品デザインや新製品開発における3Dプリンタ活用についても明かした。

[八木沢篤,MONOist]
ダイソン

 ダイソンは2014年9月25日、新型コードレス掃除機「ダイソン Fluffy(フラフィ) コードレスクリーナー DC74 モーターヘッド」(以下、DC74)と、暖房と送風機能を搭載した「ダイソン Hot+Cool(ホットアンドクール) ファンヒーター AM09」(以下、AM09)を発表した。

 DC74は、独自開発の「ソフトローラークリーナーヘッド」を採用し、大きなゴミと微細なゴミを同時に吸い取ることが可能なコードレススティック掃除機。同年10月14日より同社オンラインストアで、同年10月23日より全国の家電量販店で発売される。価格はミニモーターヘッド、コンビネーションノズル、すき間ノズルを搭載する標準モデルが7万4800円(税別)。標準モデルにフトンツール、ハードブラシ、延長ホースが付属するコンプリートモデルが8万4800円である。

 AM09は、ピンポイントで風を届けるフォーカスモードと広範に風を送るワイドモードを実現する新開発の「ジェットフォーカステクノロジー」と、おなじみの「Air Multiplier テクノロジー」により、効果的でパワフルな暖房および送風を実現するファンヒーター。同年10月30日に発売される予定で、価格は5万8800円(税別)。

ダイソンの開発担当 「DC74」を手にするダイソン コードレス製品開発部 責任者のケビン・グラント(Kevin Grant)氏【写真左】と、「AM09」を手にするシニア デザインエンジニアのマーティン・ピーク(Martin Peek)氏

 都内にある同社ショールームで行われた製品発表会では、DC74をはじめとする全コードレス製品の開発に携わる同社 コードレス製品開発部 責任者のケビン・グラント(Kevin Grant)氏と、ファンヒーターなどの季節家電製品の新規開発に携わる同社 シニア デザインエンジニアのマーティン・ピーク(Martin Peek)氏が登壇。それぞれの製品の特長について説明した。

大きなゴミも微細なゴミも同時に吸い取る「DC74」

新型コードレス掃除機「ダイソン Fluffy(フラフィ) コードレスクリーナー DC74 モーターヘッド」 新型コードレス掃除機「ダイソン Fluffy(フラフィ) コードレスクリーナー DC74 モーターヘッド」 ※画像クリックで拡大表示

 グラント氏は「DC74は、掃除におけるフラストレーションをまた1つ解決するための製品だ」と説明。家庭内には、米粒やシリアルなどの大きなゴミから、花粉やダニ、髪の毛といった微細なゴミまであるが、一般的な従来の掃除機というのは、大きなゴミを吸うのが得意な機種と微細なゴミを吸うのが得意な機種とに分かれるという。つまり、一度の掃除で家庭内のゴミを取り切れないという課題を抱えていた。

 これに対し、DC74では毎分最大11万回転する「ダイソン デジタルモーター V6」による吸引力と、微細なゴミを空気から分離して取り除く「2 Tier Radial サイクロン」の採用とともに、今回新たに開発したソフトローラークリーナーヘッドを搭載。ヘッド部の中央には、重心を安定させ強力にローラを回転させるクリーナーヘッド専用のモーターを内蔵。柔らかいナイロンフェルト素材で覆われた全幅サイズのローラが大きなゴミを捕え、同時に、静電気の発生を抑制する4列に配置されたカーボンファイバーブラシが微細なゴミを集める。

ソフトローラークリーナーヘッド本体DDM V6 「DC74」のカットモデル ※画像クリックで拡大表示

 「微細なゴミを捕えるにはヘッドの底面を床に密着させる必要があるが、それだと大きなゴミを前方に押し出してしまう。逆に大きなゴミを吸い取るためにヘッドと床の間にすき間を作ると吸引力が下がり、微細なゴミを捕えることができない。そこで、われわれは床との密着度を高め微細なゴミを取り除きながらも、大きなゴミを包み込んで捕えることができるソフトローラークリーナーヘッドを開発した」(グラント氏)。また、大きなゴミが持つ運動エネルギーを分散させるための機構をヘッド内部に設け、大きなゴミを逃さず吸い込みやすいよう工夫してあるという。

 発表会では、他社製品との比較デモが披露され、大きなゴミと微細なゴミの両方を効率良く吸引できる点をアピールした。


新製品は失敗の集大成、3Dプリンタの活用も

ダイソン コードレス製品開発部 責任者のケビン・グラント(Kevin Grant)氏 ダイソン コードレス製品開発部 責任者のケビン・グラント(Kevin Grant)氏

 DC74のプロダクトデザインについて、グラント氏は「パワフルかつ軽量なダイソン デジタルモーター V6が製品デザインの共通項といえる。DC74では、モーターとバッテリーをグリップ部分に搭載し、重心が手に収まるよう設計されている。そのため疲れにくく、操作がしやすい。この特長は重心が下の方にある従来のコードレス掃除機とは大きく異なる点だ」と説明。

 ちなみに、DC74の開発に当たり行った試作は40以上にも上るという。「1つの製品を開発するのに、とにかくたくさん試作する。デザインして、組み立てて、テストして、それを評価しての繰り返し。検証の結果、思うような成果が得られなくてもそれが財産となり、最終製品の実現に生かされている」(グラント氏)。

 また、製品開発において3Dプリンタの活用も進んでいるという。「開発現場では、レーザーを用いた粉末焼結積層造形(SLS)方式と、光造形(SLA)方式の3Dプリンタを用い、さまざまなパーツの形状確認やテスト・検証などに活用している」(グラント氏)とのことだ。

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