“アップル新横浜拠点”が示すアベノミクスの到達点モノづくり総合版メルマガ 編集後記

外資系企業にとって「日本」はどのように見えているか。

» 2014年12月11日 12時00分 公開
[三島一孝,MONOist]

 この記事は、2014年12月11日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。


“アップル新横浜拠点”が示すアベノミクスの到達点

 もう1年以上前になりますが、世界最大のEMS(電子機器受託製造サービス)企業である台湾 鴻海(ホンハイ)精密工業(フォックスコン)グループで、顧問を務める中川威雄氏に「モノづくり立国として日本はどういう方向に進むべきか」という話題で話を聞きました。その中で以下のような中川氏のコメントがありました。

 「“イノベーションを起こしたいなら日本で”をキャッチフレーズにするといい。製品そのものや生産する技術はすぐにまねできる。グローバル企業の開発拠点を世界から日本に集めてくるのだ」(中川氏)。次いで中川氏は「例えば、アップルは、そういう意識があるように思う」と指摘しています。まさに、発表のあった横浜に新たに設置されるアップルのR&D拠点を示唆していたかのような内容だったわけです(関連記事:フォックスコン顧問が語る“失われた20年”が生んだ日本の未来とは?)。

 これは中川氏の慧眼があってのことではありますが、日本が置かれている立場を冷静に見てみると腑に落ちる思いがします。そしてアベノミクス第3の矢の成否を握っているのも、日系企業ではなく、こういう外資系企業ではないかなとも思えてきました。

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