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» 2014年12月16日 07時00分 UPDATE

電子工作“超”入門(3):電子工作的な観点でコンデンサを知ろう (1/2)

紅葉の季節も過ぎ、いよいよ本格的に冬へ入る季節になってきました。寒暖の差が激しい日が続いていますが、こういうときは体調管理が難しいですね。暖房器具を出そうか迷っていますが、とりあえずホットカーペットの電源を入れることにしました。

[作倉瑞歩,ITmedia]

 簡単なポータブルアンプの製作を目標として、抵抗やコンデンサの読み方といった初歩的な電子回路についての知識を学び、電子回路に親しんでもらう連載「電子工作“超”入門」。さて第3回の今回で取り上げるのは「コンデンサ」です(“コンデンサー”ではなく、日立風に音引きは入れない感じでいきましょう)。

・電子工作“超”入門(1):シンプルなポタアンを理解しながら作るための第1歩

・電子工作“超”入門(2):電子工作の基本のキ、抵抗を知ろう

 英語では「Capacitor」(キャパシタ)といいます。このため記号は「C」が使われます。容量を示す単位は「F」(ファラッド)です。

 はい、ここです。第2回で取り上げた「抵抗」と違うところは、コンデンサには「電気をためる」性質があることです。このため「容量」(静電容量)という言葉を使います。

 高校の時の物理で、電磁気学の基礎を学んだ人がいるでしょう。その時に C=Q/V が出てきたのを覚えていますか? コンデンサは、誘電体によって分離された2枚の電極もしくは電極版によって構成され、コンデンサの容量Cは電荷Qの蓄積量と電圧Vで表されます。

photo いろいろなコンデンサ。左からセラミックコンデンサ、積層セラミックコンデンサ、電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、タンタルコンデンサ、セラミックトリマコンデンサ、チップ電解コンデンサ、チップ積層コンデンサ

 ちなみに、抵抗は1Ωから1MΩまでが基本単位として表されていましたが、コンデンサでは「1F」というものはありません。正確には、電子部品としては存在しません。1Fはあまりにも大きな単位なので、電子部品としては「μF」(マイクロファラッド:10の-6乗)、「pF」(ピコファラッド:10の-12乗)という単位を使います。海外ですとこれに加えて「nF」(ナノファラッド:10の-9乗)も使うようですが、日本ではあまり見かけません。この前「DigiKey」という通販サイトで注文したときにnFに出くわしてちょっと戸惑いました。

 さて、コンデンサの仕組みを簡単なモデルで表すと、片方に電極が付いた板を向かい合わせに挟んだ状態、となります。

 直流ではコンデンサの容量いっぱいまで電荷がたまるだけです。つまり通電はしませんので、電流を遮る形になります。交流では時間とともに電極が変化しますので、容量いっぱいまでたまった電荷は、電極の変化により開放されます。つまり、コンデンサの容量分だけ電荷を溜めて開放を繰り返すので、コンデンサは交流においては抵抗と似た働きをすることになります図1

photo 図1 コンデンサと電荷の模式図

 先ほども述べましたが、コンデンサにもいろいろな種類がありますので、電子工作の部品としてよく使われるものという観点から、どのような製品があるのかここで見ていきましょう。

セラミックコンデンサ

 一般的にコンデンサというと、セラミックコンデンサを思い浮かべる人が多いかもしれません。茶色い丸形のものですね。1pFから0.1μF位まで使われているでしょうか。大容量のものを使いたい場合は、電極を積層構造にした「積層セラミックコンデンサ」が使われます

photo 左が普通のセラミックコンデンサ。青いものが積層セラミックコンデンサ

電解コンデンサ

 電解コンデンサは特異な性質を持ちます。それは+と−の極性を持つことです。加えて「16V 100μF」など、利用できる電圧が決まっています。ややこしいのですが、電位を持たない無極性の電解コンデンサもあり、通常はアルミ箔に形成した酸化皮膜を使って電解コンデンサを作りますが、これを直列つなぎにしたものが無極性の電解コンデンサです。

photo 電解コンデンサ。極性を持つためプラス側のリードが長くなっている他、マイナス側には本体に印が付けられている。緑色のものは無極性の電解コンデンサ。一番右の茶色のコンデンサはオーディオ用として発売されているもの

 なお電解コンデンサはオーディオ用途など幅広く使われているので、多くの種類が発売されています。1μFから10000μFまでと容量も大きな物を作りやすく、オーディオ機器では交流を直流に交換する電源部や、スピーカーとつながる場所に使用されます。オーディオ専用として発売されている電解コンデンサもありますが、普通のコンデンサが1個10円だとすると、150円とか、400円とかする場合も(もっと高いことも)あります。筆者は市販のアンプについていたコンデンサを「オーディオ用」に変えたら音がガラリと変わったという経験もしています。

 ちなみに、本体から下に足が出ているものを「ラジアル(radial)」、両端から足が出ているものを「アキシャル(axial)」と呼びます。一般的な抵抗はアキシャルリードですが、コンデンサはアキシャルリードとラジアルリードの両方があります。

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