“土管”からの脱却に向けソフトバンクが通信4社を統合、IoTやロボットに注力組み込み開発ニュース

ソフトバンクモバイルは、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルを同年4月1日付で吸収合併する。これらソフトバンクグループの通信4社の統合では、「グループ各社とともに、IoTやロボット、エネルギーなどの分野で事業を拡大させていく」ことを目的に挙げている。

» 2015年01月23日 14時00分 公開
[朴尚洙,MONOist]

 ソフトバンクモバイルは2015年1月23日、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルを同年4月1日付で吸収合併すると発表した。

 ソフトバンクグループでは、ソフトバンクモバイルとワイモバイルは携帯電話などの移動体通信サービスを、ソフトバンクBBは「Yahoo! BB」ブランドでブロードバンドサービスを、ソフトバンクテレコムは固定電話やデータ通信などの通信サービスを提供している。これら傘下の通信4社をソフトバンクモバイルに統合して経営資源を集約し、国内通信事業の競争力を一層強化することで企業価値の最大化を図っていくとしている。

 2015年4月1日からはソフトバンクモバイルが存続企業となり、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコム、ワイモバイルは解散する。ただし、既存サービスのブランド名は維持するとしている。

 今回の通信4社統合では、合併後の新会社の目的として、「ソフトバンクグループ各社とともに、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やロボット、エネルギーなどの分野で事業を拡大させていく」ことを挙げている。

 ソフトバンクグループでは、通信技術を活用したIoT、ロボット、エネルギーを促進するための取り組みを積極的に推進している。2014年4月には、ソフトバンクテレコムがGEソフトウェアと企業向けIoT/M2M(Machine to Machine)分野での提携を発表。ロボット関連の事業では、ソフトバンクロボティクスのクラウドを活用したパーソナルロボット「Pepper」の他、アスラテックのロボット制御ソフトウェア「V-Sido OS」などもある。エネルギーでは、2014年7月にソフトバンクテレコムがSBパワーと連携して電力と通信を組み合わせた小売サービスの提供を始めている。

ソフトバンクロボティクスのパーソナルロボット「Pepper」 ソフトバンクロボティクスのパーソナルロボット「Pepper」(クリックで拡大)

 通信は、ITを支えるデータの送受信を行う基盤だが、生活インフラである水道やガスなどを流す“土管”に例えてやゆされることも多い。現在安定的な収益を生み出している通信事業を基に、サービスなどでいかに付加価値を生み出すかが通信事業者の今後の成長に大きく関わってくる。

 今回の発表は、ソフトバンクグループが、通信4社の統合によって生まれた経営資源を、新たな成長産業になり得るIoTやロボット、エネルギーと関わる製品やサービスの開発に充てる方針を明確に示したという意味を持っている。

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