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» 2015年02月09日 13時00分 UPDATE

インターネプコン:半導体産業を救う!? 生産を1000分の1にするミニマルファブの挑戦 (1/2)

エレクトロニクス製造・実装技術展「インターネプコン ジャパン」の基調講演に産業技術総合研究所九州産学官連携センター 研究参与 井上道弘氏が登壇。「ミニマルファブによるスマートものづくり:前工程から後工程までの一貫ライン」をテーマに、機能的多様性と多品種少量生産に適した次世代の生産方式を紹介した。

[長町基,MONOist]

 エレクトロニクス製造・実装技術展「インターネプコン ジャパン」(2015年1月14〜16日、東京ビッグサイト)では2015年1月16日、基調講演(ものづくりの未来をキーマンが語る)として、産業技術総合研究所(AIST)九州産学官連携センター 研究参与 井上道弘氏が登壇。「ミニマルファブによるスマートものづくり:前工程から後工程までの一貫ライン」をテーマに、機能的多様性と多品種少量生産に適した次世代の生産方式を紹介した。



 井上氏は、松下電器産業株式会社(現パナソニック)に入社後、中央研究所などでアナログ集積回路、メモリ、CMOSなどの研究開発に従事。超LSI技術研究所所長や半導体製造技術センター所長を歴任するなど、半導体の開発・製造分野で多くの実績を残した。2010年から、産業技術総合研究所にてミニマルファブの後工程の開発をプロデュースしているという。

巨大化する半導体産業を取り巻く環境の変化

 半導体製造の現場を取り巻く環境は大きく変化している。半導体製造の歴史を振り返ると、これまで数十年間、半導体回路の微細化とシリコンウエハーの大口径化によって「ムーアの法則」(ゴードン・ムーア博士が提唱した「半導体の集積密度は18〜24カ月で倍増する」という法則)を実現したことで大きく前進した。それにより、今日の情報化社会が実現したといえる。

photo 産業技術総合研究所(AIST)九州産学官連携センター 研究参与 井上道弘氏

 しかし、微細化と大口径化に陰りが見え、巨大化した投資に見合う市場の縮小、さらにこれから半導体の新アプリの時代が到来するとみられている中、これらに対応するためには「既存の半導体生産方式でよいのか」という、大きな問題が生まれつつある。それに対応するのが機能的多様性と多品種少量生産に適した次世代の生産方式である「ミニマルファブ構想」だ。井上氏は「提唱しているこの半導体の生産方式は、これまでの概念を根底から変えてしまうものだ」と強調する。

 巨大化する投資競争に日本の半導体メーカーは追随できずに、脱落していった。将来的にはこの問題は日本のメーカーだけではなく、世界的に広がる見込みだ。現在の半導体工場は1ラインの投資金額が5000億円という大規模である一方でマーケットは飽和状態にある。さらに製造中止デバイスが激増し、研究開発の成果が実用にならないケースも増えてきた。こうした中では新しいデバイスが開発されるのは難しい。これらの投資の巨大化が進めば、企業の体力を圧迫し最終的には産業そのものの衰退につながるという恐れがある。

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