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» 2015年03月02日 07時00分 UPDATE

組み込み開発ニュース:世界をIoTでスマートにするための10のポイント

2020年にはエンドデバイスの数が300億個にも達すると言われるIoT(Internet of Things)時代が本格化する中、組み込みエンジニアはどのような考え方で開発にあたるべきか。ウインドリバーのフェローが念頭に置くべき10のポイントを挙げた。

[渡邊宏,MONOist]

 「もっと世界はスマートにならなくてはいけない」――2020年にはエンドデバイスの数が300億個にも達するとされるも言われるIoT(Internet of Things)の時代が本格的に到来しようとする中、組み込みエンジニアはどのような考え方で開発にあたるべきか。

 ウインドリバーは2015年2月27日、技術セミナー「Wind River Technical Forum 2015」を開催、来日した同社フェローのマーティン・コーニング氏が「IoT時代における組込みソフトウェア開発の新潮流とウインドリバーの技術戦略」と題した講演を行った。

 コーニング氏は世界的な人口増加や電力消費量の増大、自然資源の減少などといった現在の社会問題を挙げ、その解決のために「もっと世界はスマートにならなくてはいけない」と主張する。コーニング氏の言う“Smart”は「賢明な」ひいては「効率的な」といったニュアンスであり、その具体化のためにIoTの導入が叫ばれ、実際に行われようとしているが、「現在のIoTは非常に混乱しているように感じる」と現状を分析する。

photo ウインドリバー フェローのマーティン・コーニング氏

 その混乱を解決するために同社が取ったアプローチが、テクノロジーを単純に一方向へ強化していくのではなく、テクノロジーに対してのとらえ方を再考することだ。同社はエンジニアをスタンフォード大学へ送り、テクノロジーに対してデザイン面から考察し、「どのような指針を持てば、価値のあるIoTを提供できるのか」を10のポイントにまとめた。

  • 1 デバイスとクラウド双方の「使いやすさ(Ease of Use)」
  • 2 デバイス同士がセキュアな状態に保たれる「E2Eセキュリティ(E2E Security)」
  • 3 外的要因からの影響を排除する「頑強性、ロバスト性(HA/Robustness)」
  • 4 スタンダードなインフラに対応するための「拡張性(Extensibility)」
  • 5 利用者の要求に賢く応答する「予見性のある挙動(Predictable Behavior)」
  • 6 数多くのデバイスに対応するための「スケーラビリティ(Scalability)」と、利用権限を交錯させないための「階層的な独立性(Hierarchy)」
  • 7 インターネット上での運用を保つための「プラットフォーム独立性(Platform independence)」
  • 8 既存プロトコルや認証、APIを活用するための「オープンスタンダード(Open Standards)」
  • 9 IoTの提供する新たなサービス、新たな価値に対応するための「新たな技術と役割(New Skills/Roles)」
  • 10 コンピュータが仮想/実体いずれでも容易に操作するための「ダッシュボードのような、仮想化されたネットワークのオペレーションセンター(Virtual Network operations Center)」
photo

 コーニング氏によれば、必ずしも上記の要件全てを満たす必要はなく、これらを念頭に置きながらIoTの機器とサービスを開発するべきというもので、「クラウド接続機能を持ったIoTコンタクトレンズ」を例にして、IoT時代の開発に必要なのは、機器の処理能力やネットワーク帯域幅といったスペックから要件定義をすることではなく、「どのような要件を満たせば利用者にとって価値ある存在になるか」を明確にすることが大切だと述べた。

photophoto 「IoTコンタクトレンズ」(仮想の製品)であれば、提唱する10の指針のうち、1、2、4、6、8の要件を満たすことになる

 開発する製品を“利用者にとって価値ある存在とする”際に取るべき手段の1つとしてコーリング氏が言及したのが、同社のIoT向け包括的ソリューション「Wind River Helix(以下、Helix)」だ。

 Helixは同社のエンドデバイス向けOS(VxWorks、Wind River Linux)やクラウドサーバ(Titanium Server)、クラウド型テクノロジスタック(「Wind River Edge Management System」)などを組み合わせたIoTソリューションの総称。その導入により、エッジデバイスのセキュア化や運用管理、ゲートウェイ、ネットワーク、クラウドとの連携まで、IoTのさまざまな領域と需要、デバイスに対応できるとしている。

 「世界中の全てはもっとスマートにならなくてはならない。だが、その“全て”には私たちも含まれている。私たちはセンサーであり、アクチュエーターでもあるのだ」。コーニング氏はスマート化による問題解決を狙うIoT時代の組み込み開発において、開発者が当事者意識を持つことが、シンプルかつ、大切な考えかだだと強調した。

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