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» 2015年03月06日 17時30分 UPDATE

スマートファクトリー:「日本版インダストリー4.0」のハブに! 富士通が次世代モノづくり戦略を発表 (1/3)

富士通は「次世代モノづくり」実現に向けた新たなビジョンと、それに対する新サービスの提供を発表した。富士通では2012年から「ものづくり革新隊」として、製造業として自社のノウハウと、提供するICTを組み合わせた製造業支援サービスを展開しており、今回はその流れをさらに拡大するものとなる。

[三島一孝,MONOist]

 富士通は2015年3月6日、モノづくり支援事業の強化方針を発表。新たなビジョンとして、ドイツのインダストリー4.0プロジェクトや米国のインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)などが掲げる、IoT(モノのインターネット)などを活用した次世代モノづくりに向けて、富士通自身がリファレンス工場を創出していく方針を示した他、新たなサービスとして、設計開発段階における「立体視認証システム」と、生産段階における「ロボットインテグレーションサービス」を開始することを明らかにした。

 同社では2012年10月から「ものづくり革新隊」として、富士通の持つICTの力と、同社が工場で培ったノウハウを組み合わせて外販する、製造業支援サービスを開始(関連記事:FJPSとは? 富士通がモノづくりノウハウを丸ごと提供へ)。2013年にはさらにこれを発展させて、富士通そのものが製造を代行する製造受託サービスなども開始しており、サービス領域を拡大させていた(関連記事:富士通、製造業支援を強化――3Dプリンタ試作やビッグデータ分析、製造受託も)。今回の発表はこれらの動きをさらに拡大するとともに、現在世界で動きが活発化している「次世代モノづくり」の動きに対し富士通自身がビジョンを示したものとなる。

ドイツのインダストリー4.0、米国のインダストリアルインターネット

photo 富士通 産業・流通営業グループ長 執行役員常務 花田吉彦氏

 現在、全世界で製造工程を高度化させる「次世代モノづくり」を目指す動きが活発化している。ドイツでは連邦政府が主導する国家プロジェクト「インダストリー4.0」が進められており、主要なドイツ企業や研究機関、大学などが参加し、ビジョンの実現に向けて多くのクラスタが設立され研究開発が始まっている(関連記事:ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】)。

 一方米国では、IICとして、IoT(モノのインターネット)の産業実装に向けた取り組みが行われている。製造業の生産性に関してはGEが中心となって取り組んでおり、日系企業も数社が参加している(関連記事:産業機器向けIoT団体「IIC」、その狙い)。また、中国でも政府が次世代モノづくりの研究開発に出資しており、世界各地で自国製造業の復権や強化に向けた取り組みを行っている状況だ。

photo 世界各国の製造業強化策(クリックで拡大)※出典:富士通

マスカスタマイゼーションの世界

 これらの動きにより目指す姿は各国とも多少の違いはあれど、ほとんど同じものだ。それはサイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)の活用によるマスカスタマイゼーションの実現だ。サイバーフィジカルシステムとは、現実の世界の情報(Physical)をIoT(モノのインターネット)などにより、サイバー空間に取り込みコンピューティング能力(Cyber)を使って解析を行って最良の結果を導き出し、それを現実世界にフィードバックするようなシステムのこと。また、マスカスタマイゼーションはマスプロダクション(大量生産)に対し、カスタム製品を大量生産のように作り出すことを指す。つまり、ICTの力をフル活用し現場の製造機械が自律的に判断して必要なものを必要な時に作り出すような生産システムが将来像として描かれているということになる。

 これらの動きに合わせ富士通では、まず自社内でこれらの「次世代モノづくり」に合わせた最適なリファレンス(参照)モデルを構築し、これらのノウハウを確立するとともに、これらのノウハウを組み合わせた新たなサービスを展開していく方針だ。

 富士通 産業・流通営業グループ長 執行役員常務 花田吉彦氏は「各国が自国製造業強化に向けた取り組みに力を入れており、日本でもロボット新戦略などさらなる自動化を目指した動きが出てきている。日本のモノづくり力は優れており、個別の工場ではこれらの『次世代モノづくり』が目指す姿は一部で実現できている。しかし、これらを他に展開するとなると難しさがある。富士通でもさらに工場内での自動化を広げる他、工場間連携などの次世代モノづくりに踏み込んでいく。そしてこれらで得た知見を、製造業支援サービスとして展開していく」(関連記事:製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来)と語る。

photo 富士通の製造業支援サービスの展開(クリックで拡大)※出典:富士通
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