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» 2015年03月11日 09時00分 UPDATE

ジュネーブモーターショー2015:華やかさに欠けたジュネーブショーと勢い増すフォルクスワーゲングループ (1/4)

華やかさに欠けた「ジュネーブモーターショー2015」。その一方でVolkswagen(フォルクスワーゲン)グループは、前夜祭イベント「フォルクスワーゲングループナイト」で、その勢いを見せつけた。自動車ジャーナリストの川端由美氏による、同イベントのリポートをお送りする。

[川端由美,MONOist]

 欧州において、その年で初めてのモーターショーとなる「ジュネーブサロン」。毎年3月上旬に開催されるため、自動車メーカーにとっては年次報告の役割を果たすイベントにもなっている。ショー会場がジュネーブ空港に隣接していることもあって、自動車メーカーの役員やセレブリティの来場も多く、世界5大モーターショーに位置付けられている。

 例年、数多くのワールドプレミアが登場することでも知られており、2015年は大小含めて101台ものワールドプレミアが登場した。しかし、今回に限って言えば、少々小粒な印象が否めない。欧州で春を待ち望む時期ゆえに、華やかなカブリオレの発表の場になっているが、今回は全くと言っていいほどオープンカーが登場しなかったことが一因かもしれない。

 国境を接するイタリアの自動車メーカーにとっては、地元のショーという意味合いがあると同時に、世界中の富裕層が集まるスイスのモーターショーという位置付けもあって、エキゾチックなスーパーカー/スポーツカーが並ぶのも、ジュネーブサロンの特徴だ。しかし、今回はLamborghini(ランボルギーニ)、Ferrari(フェラーリ)、McLaren Automotive(マクラーレン)が派生車種の発表にとどまったことや、これが目玉と断言できるほどのニューモデルは発表されなかったことも、華やかさを削いだ要因だろう。



 そんな中Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループは、相変わらず華やかな前夜祭を開催して勢いのあるところを見せた。欧州全体の景気低迷といった不安要素はあるものの、2015年に入ってわずか2カ月でグループ全体の販売台数150万台を達成し、世界一の自動車メーカーへの道筋を付けた。

 国際格のモーターショーでは、プレスデー前夜恒例のイベントとなった「フォルクスワーゲングループナイト」だが、毎回趣向が凝らされている。今回は、人気DJが登場したり、本社工場で使われている白い産業用ロボットによるパフォーマンスを披露するなど、エンターテインメントに富んだオープニングの後、傘下にあるブランドから13のモデルが登場した。

 まずフォルクスワーゲンブランドからは、明るい黄色のボディを纏ったプラグインハイブリッド車「スポーツクーペコンセプト GTE」が登場した。次期「CC」の前身といわれており、今後のフォルクスワーゲンブランドのデザイン言語を表現している。外形寸法が全長4870×全幅1865×全高1407mmというスリーサイズは中型セダン「パサート」より一回り大きい。室内に目を向けると、2015年1月の「International CES 2015」で発表されたタッチスクリーンと思われる装備がデジタルディスプレイとともに備わっている。クーペスタイルながら4ドアをうたうだけあって、大人4人分の独立シートと容積480l(リットル)の荷室を備える。

sp_150311geneva_vwgn_01.jpgsp_150311geneva_vwgn_02.jpg 「スポーツクーペコンセプト GTE」の外観(クリックで拡大)

 搭載されるパワートレインは、最高出力220kW(299ps)/最大トルク500Nmを発揮する排気量3lのターボ付きV型6気筒ガソリンエンジンに、2基の電気モーターを組み合わせている。最高出力40kW/最大トルク220Nmの出力を持つ小さめの電気モーターは、車両前部搭載の6速DSG(フォルクスワーゲンにおけるデュアルクラッチトランスミッションの名称)に内蔵されており、もう1基の同85kW/270Nmを発揮する電気モーターは車両後部に搭載されており後輪を駆動する。システム出力は279kW(380ps)とされている。前輪をエンジン+小型モーターのハイブリッドシステム、後輪を電気モーターだけで駆動するオンデマンド式の四輪駆動車となる。時速0〜100kmの加速を5秒フラットでこなす俊足ぶりをうたう一方で、CO2排出量は46g/kmを掲げる。

「スポーツクーペコンセプト GTE」のパワートレイン 「スポーツクーペコンセプト GTE」のパワートレイン(クリックで拡大) 出典:フォルクスワーゲングループジャパン

 欧州では2015年までにCO2排出量を130g/km(タイヤによるエコ技術を含めると120g/km)まで減らす目標値がある。さらに2020年には、95g/kmまで減らさなくてはならない。こうした目標の設定を受けて、各国では目標を先取りした自動車にインセンティブを与える傾向にある。例えば英国では、100g/km以下のCO2排出量なら自動車税が免除だったが、今後はその基準が50g/kmに引き下げられる。米国でも、優先レーンの走行ができるなどのインセンティブが設定されている。

 スポーツクーペコンセプト GTEに話を戻すと、デザイン面でも注目すべき点が多い。長く低められたフード、高い位置にあるヘッドランプが、スポーティでダイナミックなラインを見せる。そしてキャラクターラインがサイドにくっきりと刻まれている。これらの特徴は、今後のフォルクスワーゲンブランドのDNAとなっていくようだ。

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