3Dプリンティング技術の活用で、生産用治工具の製造時間を94%短縮3Dプリンタニュース

ストラタシス・ジャパンは、Volvo Trucksのエンジン生産工場がStratasysの3Dプリンティング技術を採用し、生産用治工具の製造時間を94%以上短縮させたと発表した。

» 2015年03月25日 16時24分 公開
[八木沢篤MONOist]

 ストラタシス・ジャパンは2015年3月25日、Volvo Trucksのエンジン生産工場(仏リヨン)がStratasysの3Dプリンティング技術を採用し、生産用治工具の製造時間を94%以上短縮させたと発表した。

 Volvo Trucksは、生産用治工具の設計・製造をこれまでの金属から、「Fortus 3Dプロダクションシステム」を活用した熱可塑性プラスチック「ABSplus」に変更したことで、およそ36日間かかっていた作成期間を、わずか2日間に短縮させることに成功したという。この結果、工場全体の効率性と融通性が向上。納期の順守はもちろんのこと、積層造形技術の採用により廃棄物量が減少し、コスト削減も実現したとしている。

「Fortus 3Dプロダクションシステム」を活用30以上の生産用治工具 (左)Stratasysの「Fortus 3Dプロダクションシステム」を活用して製造した組み立てラインの治具/(右)30以上の生産用治工具を3Dプリンタで製造

 Fortus 3Dプロダクションシステムの導入後、Volvo Trucksは約3カ月間で、30以上の生産用治工具を3Dプリンタで製造し、生産ラインでの作業を支援してきたという。その中には、耐久性に優れ、軽量化されたさまざまなクランプ、治工具、サポート、さらに、人間工学設計に基づいた治工具ホルダなどが含まれている。

Stratasys製の3Dプリンタで製造したホースホルダ Stratasys製の3Dプリンタで製造したホースホルダ

 ABS熱可塑性プラスチックを使用した生産用治工具の機能性・信頼性についての評価も高く、「『正しく機能させるには金属製でなければならない』という従来の考えを既に変えている」(Volvo Trucks)としている。

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