マグネシウム濃度が高水準の固溶強化型銅合金を開発車載電子部品

三菱マテリアルは、三菱伸銅と共同で高水準のマグネシウム(Mg)濃度を持つ銅合金「MSP 5」を開発した。箱形への成形でも割れや破断が生じにくく、車載向け小型端子用途に対応できる。

» 2015年04月08日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 三菱マテリアルは2015年3月19日、三菱伸銅と共同で高水準のマグネシウム(Mg)濃度を持つ銅合金「MSP 5」を開発したと発表した。車載用小型端子などの用途に向ける。

 自動車の電装部品に使用される小型端子用合金材料には、コルソン系銅合金(Cu-Ni-Si系合金)などの析出強化型銅合金が多く用いられている。しかし、コルソン系銅合金は、端子への成形時に割れや破断が生じやすいなど、成形性に課題があった。

 MSP 5は、独自の合金設計手法「高濃度Mgによる固溶強化」により高水準の濃度でMgを添加した固溶強化型銅合金となる。固溶強化型銅合金でありながら、同社グループ従来品のコルソン系銅合金と同等以上の強度・導電性・耐応力緩和特性を備えた。

 また、端子への成形性も向上し、箱形への成形でも割れや破断が生じにくく、車載向け小型端子用途に対応できる。さらに、従来のコルソン系銅合金に対して、同質量で体積が約5%増加。同重量の銅合金から得られる端子個数が増えるなど、コストパフォーマンスにも優れるという。

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