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» 2015年04月13日 14時00分 UPDATE

高機能フィルム展:ポリアミド樹脂の流動性を大幅に向上する改質剤、機械的物性も損なわず

大阪ガスケミカルは、「第6回 高機能フィルム展」と同時開催の「第4回 高機能プラスチック展」において、樹脂の機械的物性を低下させずに流動性を大幅に向上できる樹脂改質剤「オグソールMF-11」を展示した。

[朴尚洙,MONOist]

 大阪ガスケミカルは、「第6回 高機能フィルム展」(2015年4月8〜10日、東京ビッグサイト)と同時開催の「第4回 高機能プラスチック展」において、樹脂の機械的物性を低下させずに流動性を大幅に向上できる樹脂改質剤「オグソールMF-11(以下、MF-11)」を展示した。主に、自動車のエンジン系部品に広く用いられているポリアミド樹脂などに向ける。

 MF-11はフルオレン系の樹脂で、優れた相溶性、高い熱分解温度、剛直な骨格を特徴とする。一般的にポリアミド樹脂は、アミノ基の水素と酸素の間で発生する水素結合によって流動性が低いため複雑な形状に成形するのが難しい。しかし、MF-11をポリアミド樹脂に一定の割合で混ぜれば、分子間の水素結合を弱める形でフルオレン系樹脂が入りこみ、流動性を高められるというわけだ。

樹脂改質剤「MF-11」の特徴と効果 樹脂改質剤「MF-11」の特徴と効果(クリックで拡大) 出典:大阪ガスケミカル

 ただし、樹脂の流動性を高めると、その代償として機械的物性の1つである弾性率が低下するおそれがある。この問題については、剛直な骨格を持つフルオレン系樹脂とポリアミド樹脂のアミノ基の間に緩い分子間力が働いて「ちょっとした架橋のような状態になる」(同社の説明員)ので弾性率も向上する。

「MF-11」の配合比率に対する流動性(MFR)の変化 「MF-11」の配合比率に対する流動性(MFR)の変化(クリックで拡大) 出典:大阪ガスケミカル

 実際に、ポリアミド樹脂(PA-6T)を使ったガラス繊維(GF)強化樹脂で比較すると、流動性が大幅に向上する結果が得られた。MF-11を全く使わないガラス繊維強化ポリアミド樹脂の流動性が30.9g/10分であるのに対して、ポリアミド樹脂の5%をMF-11にしたものの流動性は93.0g/10分に向上した。さらに、ポリアミド樹脂の10%をMF-11にすると、流動性は115.7g/10分まで高めることができた。

 その一方で曲げ弾性率は、MF-11を使わない場合の12.5GPaから、MF-11を5%使う場合で13.0GPa、MF-11を10%使う場合で13.5GPaになっている。ただし、弾性率が向上するため、もろさの指標となる引っ張り伸びについては、2.6MPaから2.3Mpa、2.0MPaと低下している。「機械的物性の変化幅に対して、流動性を大幅に向上させられるので顧客にも価値を感じてもらえるのではないか。既に量産体制は整っているので、注文があれば供給できる」(同説明員)という。

「MF-11」の配合によるガラス繊維強化ポリアミド樹脂の表面滑らかさの変化 「MF-11」の配合によるガラス繊維強化ポリアミド樹脂の表面粗さの変化。流動性を高められるので、樹脂表面を滑らかにすることができる(クリックで拡大) 出典:大阪ガスケミカル

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