一家に1台を実現する!? 4万円台の3Dプリンタ「ダヴィンチ Jr. 1.0」登場3Dプリンタニュース(1/2 ページ)

XYZプリンティングジャパンは、パーソナル/ファミリー層を狙ったシングルヘッドの3Dプリンタ製品「ダヴィンチ Jr. 1.0」を発表。従来のダヴィンチシリーズよりもコンパクトで、使い勝手も向上しているという。販売価格(税込み)は4万9800円で、2015年4月27日より販売を開始する。

» 2015年04月16日 15時00分 公開
[八木沢篤MONOist]

 台湾New Kinpo Group傘下のXYZprintingの日本法人であるXYZプリンティングジャパンは2015年4月16日、パーソナル/ファミリー層を狙ったシングルヘッドの3Dプリンタ製品「ダヴィンチ Jr. 1.0」を発表した。販売価格(税込み)は4万9800円で、同年4月27日に販売を開始する(予約販売開始は同年4月17日から)。

 同社は、光造形方式の3Dプリンタ製品「ノーベル」シリーズと、ABS樹脂/PLA樹脂に対応した熱溶解樹脂積層方式の3Dプリンタ製品「ダヴィンチ」シリーズを展開。これまでは、ダヴィンチシリーズが“パーソナル向け”製品という位置付けだったが、家庭内での利用という点では、まだ普及しているとまでは言い切れなかった。

 こうした現状に対し、同社はより使い勝手を向上させたダヴィンチ Jr.シリーズを開発。シリーズごとのターゲットユーザーをより明確化し、ノーベルをプロシューマ向け、ダヴィンチをエントリーユーザー向け、ダヴィンチ Jr.をパーソナル/ファミリー向け製品とあらたに位置付けた。価格面でいうと、ダヴィンチシリーズの標準モデル「ダヴィンチ 1.0A」が税込み6万9800円なのに対し、ダヴィンチ Jr. 1.0は4万9800円と2万円安い。

「ダヴィンチ Jr. 1.0」 コンパクトになり、使い勝手を向上させた「ダヴィンチ Jr. 1.0」

コンパクトになったが、造形サイズは十分確保!

 ダヴィンチ Jr. 1.0でまず目に付くのは、コンパクトで、親しみやすいデザインを採用した本体だろう。本体サイズは420×430×380mmで、体積比でいうとダヴィンチシリーズの約半分になっている。重さは12kgと、30kg弱あったダヴィンチシリーズよりもはるかに軽い。このくらいのサイズ/重量感であれば、女性でも持ち上げて移動させることが可能だろう。

背面右側面左側面下 (左) 背面/(中) 右側面/(右) 左側面下部には電源スイッチやUSBポートがある ※画像クリックで拡大表示

 一方、本体のサイズダウンに伴い、最大造形サイズが150×150×150mmとなり、ダヴィンチ 1.0Aよりも50mmずつ小さくなっている。しかし、本体サイズが体積比で約50%削減したことを考えると、十分な造形サイズを確保しているといえる。なお、積層ピッチは0.1、0.2、0.3、0.4mmから選択可能である。

中の構造 正面カバーを開けた状態。非常にコンパクトにまとめられているのが分かる。また、左側面の空きスペースやファンの取り付け穴の空きも気になる(写真にはないが、本体上部にあるフィラメントのガイド穴も片方空いている)。ダヴィンチシリーズの共通設計思想から考えると将来的にデュアルヘッドの可能性もあるかも?
ワークエリアプリンタヘッド (左) ワークエリア。プラットフォーム部にプラットフォームテープを張り付けて造形する/(右) プリントヘッドが簡単に外せるようになった ※画像クリックで拡大表示

 ダヴィンチ Jr. 1.0では、PLA樹脂のみをサポート。ABS樹脂の場合、プラットフォーム部を温める必要があったが、PLAはABSよりも低温で溶解し、収縮も少ないのでプラットフォーム部の加温が不要となった。これにより、ダヴィンチシリーズと比較し、消費電力が最大で70%も削減できるという。

動作中静かに本体右側にフィラメントをセット造形サンプル (左) 動作中の音はダヴィンチシリーズよりも格段に静かになった/(中) 本体右側にフィラメントをセットして利用する/(右) PLA樹脂の造形サンプル ※画像クリックで拡大表示

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