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» 2015年06月19日 09時00分 UPDATE

Siemens PLM Connection Japan 2015:「NX」の戦略を紹介――タッチパネル操作やCAEで点群利用のデモも (1/3)

シーメンスPLMソフトウェアはユーザーイベントの中で、「NX」の最新バージョンである「NX10」の新技術や開発方針、製品ラインアップの強化などについて語った。

[加藤まどみ,MONOist]

 2015年5月28日、シーメンスPLMソフトウェア主催によるユーザーイベント「Siemens PLM Connection Japan 2015」が開催された。その中でCAD/CAM/CAE統合ソリューション「NX」の開発戦略や最新バージョン「NX10」の搭載機能などが紹介された。

 「NXの戦略アップデートおよび製品の方向性」では、米シーメンスPLMソフトウェア プロダクト・エンジニアリング・ソフトウェア シニア・バイスプレジデントのジム・ラスク氏がNX10全般の戦略や最新機能を解説した。

 「2014年12月にリリースされた『NX10.01』は、かなり多くのユーザーに採用された」とラスク氏。NXは、最近ダイムラーによる採用が発表されたところだ。ダイムラーでは6000人以上のユーザーに対してNXの教育を実施し、利用を開始した(関連記事:ダイムラーが「CATIA V5」から「NX」への全社的移行を完了)。「このNXへの移行は5年前に計画され、前倒しで実現された。これは両社にとって大きなマイルストーンとなる」(ラスク氏)。

ジム・ラスク氏 米シーメンスPLMソフトウェア プロダクト・エンジニアリング・ソフトウェア シニア・バイスプレジデントのジム・ラスク氏

 NXの開発には1000人以上が携わっており、NX10に関しては実に350近くのプロジェクトがあるという。それぞれのプロジェクトでは、自動車、ハイテク、機械、航空宇宙、船舶といった業界ごとに、どのような効果をもたらすかを評価している。プロジェクト数が多いためかなりの作業量になるという。

 現在は「NX11」に関するプロジェクトが進められており、NX11は2016年4月下旬、そして「NX12」は2017年半ばごろのリリースを予定しているということだ。

NXの方向性を紹介

 NX製品の開発の方向性については、大きく4つのキーワードを中心に考えているという。それは「つながるユーザー」「インテリジェントモデル」「適応システム」「実現される製品」だという。

 つながるユーザーについては関係者全員が、最良の意思決定を最短で行えるようなシステムの実現を目指すという。「ここにはさまざまな投資分野が考えられる」(ラスク氏)。その中でも重要な分野として挙げたのが、データの利用を容易にするモバイルコンピューティングへの対応である。

 その一環として、NX10では新たにタッチパネル操作に対応した。実際、ラスク氏は講演でマイクロソフトの「Surface Pro」を使い、タッチパネルで操作を行っていた。「Surface Proを使っているのは、NX製品も将来の製品もタッチパネルで作業できるからだ」(ラスク氏)。また、設計のコラボレーションに関しては、「(PLMソフトウェアの)『Teamcenter』をクラウドでも利用できる。NXでももちろん活用可能だ。これにより各地域をまたいでのコラボレーションが可能になる」とラスク氏は説明する。

 ラスク氏は、デモでタッチモードでのモデリングなどの様子を紹介した。また、ビジュアライゼーション作業でドラッグ&ドロップでマテリアルの変更や背景追加なども行ってみせた。

タッチパネルでのデモンストレーションの様子 タッチパネルでのデモンストレーションの様子

 インテリジェントモデルについては、正確なシミュレーションを行い、ライフサイクルを通じて最良のモデルを活用する。ライフサイクルを通じてデータを活用するためにアプリケーションを統合しようと考えると、NX内部での統合、また複数のパートナーとのアプリケーション統合も考えられる。例えば、MATLABシミュレータから別の製品にシミュレーションを流すといったこともNXで対応している。「インテリジェントな情報をお互いにつなぎ合わせることで、より良いエンジニアリングの意思決定ができるようになる。これはNX内部でも、他のアプリケーションの統合の中でも実現可能になる」(ラスク氏)。

 適応システムに関してラスク氏が挙げたのが、グローバル展開である。多数のさまざまな言語を話す人たちが、同じデータをバックグラウンドで共有して、コミュニケーションを取ることを目指す。

 NXは、Teamcenterとの統合により、世界に分散された環境においてもシームレスにコミュニケーションを取ることができる。「展開の容易性も確保しており、ユーザーが使いやすいよう品質に関しても注力している。ユーザーにとって使い勝手の良いものにすることは、当社にとって重要な課題となっている」とラスク氏。また、特に開発サイクルの短縮の要求が大きい中、製品挙動をデジタルにシミュレーションし、現実のパフォーマンス向上につなげていくことが大事になっていると強調した。

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