3Dプリンタ市場、デスクトップ機種もプロ向け機種も大きく成長3Dプリンタニュース

IDC Japanは国内3Dプリンタ本体および関連市場の2013〜2014年の実績、2015〜2021年の予測を発表。国内3Dプリンタ本体および関連市場は2014年に大きく成長し、2015年以降も引き続き成長すると見ている。

» 2015年06月24日 09時00分 公開
[小林由美MONOist]

 IT専門調査会社のIDC Japanは国内3Dプリンタ本体および関連市場の2013〜2014年の実績、2015〜2021年の予測を発表した。

 同社によれば3Dプリンタ本体や、3Dプリンタ本体の保守/修理サービス、サービスビューローが提供する3Dプリントサービス、造形材料など関連市場を合計した2014年の国内の売上額は336億3000万円(前年比成長率65.3%)だった。2014〜2021年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は18.8%、2021年の総売上額は1123億7000万円と予測した。

 2014年の3Dプリンタ本体市場の売上額は全体で208億円(前年比成長率80.3%)だった。市場セグメント別で見ると、本体価格50万円未満の3Dプリンタ(同調査では「デスクトップ3Dプリンタ」としている)が15億2000万円(構成比7.3%)、本体価格50万円以上の3Dプリンタ(同調査では「プロフェッショナル3Dプリンタ」としている)が192億8000万円(同92.7%)だった。

 周辺サービスの売上額は86億1000万円(前年比成長率44.1%)で、3次元受託造形(3Dプリント)サービスが普及して利用者が増えた他、プロフェッショナル3Dプリンタの稼働台数増に伴い、保守/修理サービスの売り上げも増加した。

 造形材料の売上額は42億2000万円(同49.1%)だった。稼働台数が増加したことに加え、造形材料の多様化、業務用途の拡大などにより、造形材料の消費量が増加したと考えられるという。

国内3Dプリンタ本体および関連市場 売上額推移、2013〜2021年(出典:IDC Japan)

 2014年の3Dプリンタ本体の出荷台数は9927台(前年比成長率157.1%)だった。内訳はデスクトップ3Dプリンタが7750台(構成比78.1%)、プロフェッショナル3Dプリンタの出荷台数が2177台(同21.9%)。

国内3Dプリンタ市場セグメント別出荷台数推移、2013〜2021年(出典:IDC Japan)

 ベンダー別シェアの順位は下記の通りだ。

デスクトップ3Dプリンタ

  • 第1位:XYZプリンティング(41.3%)
  • 第2位:ストラタシス(19.4%)
  • 第3位:ムトーエンジニアリング(15.7%)
  • 第4位:3Dシステムズ(14.2%)

プロフェッショナル3Dプリンタ

  • 第1位:ストラタシス(43.0%)
  • 第2位:3Dシステムズ(24.9%)
  • 第3位:キーエンス(8.3%)
  • 第4位:ローランドディー.ジー.(5.5%)
2014年国内デスクトップ3Dプリンタ本体、ベンダー別出荷台数シェア(出典:IDC Japan)

 デスクトップとプロフェッショナル向け、いずれにしても新規参入ベンダーの出荷台数の伸びが顕著な1年だったという。

 同社は国内3Dプリンタ本体および関連市場は2014年に大きく成長し、2015年以降も引き続き成長すると見ている。3Dプリンタ本体の出荷台数は2014〜2021年のCAGRを27.9%、2021年には5万5545台に、3Dプリンタ本体売上額は同期間のCAGRを13.4%、2021年には502億8000万円に達すると予測している。関連市場については、2021年の売上額が周辺サービスは320億5000万円、造形材料は300億4000万円に達すると予測している。

 同社は、市場の成長にはプロフェッショナル3Dプリンタが果たす役割が大きく、2015年以降も3Dプリントサービス事業者やユーザー企業への導入が拡大し、それに伴って周辺サービス/造形材料の売上額が増加する構図が続くと見ている。一方、デスクトップ3Dプリンタは売上額では少ないものの、今後も個人を中心に利用者の裾野拡大の役割を担っていくとしている。

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