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» 2015年07月22日 07時00分 UPDATE

GoogleのリビングIoT戦略:「Project Brillo」に見るGoogleのIoT戦略 (1/3)

「Android@Home」の夢を再び。「Nest」を送り出したGoogleは家庭内にそのターゲットを定め、「Project Brillo」を投入する。Amazonの「Amazon Echo」やApple「Homekit」とリビングのIoTを巡る争いが過熱しつつある。

[吉岡佐和子(情報通信総合研究所),MONOist]

 Googleが2015年5月に開催した開発者向けイベント「Google I/O 2015」において、IoTに関連する新たな取組み「Project Brillo」が発表された。

 リリースは2015年第3四半期(7-9月)を予定しているが、公開されている情報は限られていることからまだ全容が見えていない。一部報道では、Appleの「Homekit」対抗とみられているが、Brilloはそれ以上のポテンシャルを秘めていると考えられる。

 本稿ではBrilloの概要を把握しつつ、GoogleのIoT戦略を整理してみたい。

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省電力デバイスをIoT化する「Project Brillo」

 GoogleがProject Brillとして発表したのはIoTデバイス向けOS「Brillo」と、通信規格「Weave」だ。

 「Brillo」とは、Google傘下のNest Labsのチームが中心となって開発しているAndroidベースのIoTデバイス向けOSである。Brilloを搭載するデバイスに要求される仕様は最小限で、例えばドアロックや電池で動くような省電力デバイスにも搭載できる。さまざまなCPUをサポートしている点も特長で、Wi-FiやBluetooth LEによりセキュアなデバイス間通信を実現する他、デバイス制御やシステムのアップデートも可能だ。

 Brilloの搭載が想定されているこのような省電力デバイスは、強力なプロセッサや大量のメモリを搭載しておらず、高度な処理は望めない。しかし、IoTとはこのようなデバイスが大半を占めているのが実情であり、これらのデバイスが連携しない限り、IoT市場の確立は期待できない。Brilloはそのような課題を解決するために開発されたといえるだろう。

 また、Brilloと同時に発表された「Weave」は新たなIoT向け通信規格だ。このWeaveは、IoTデバイスの間だけでなく、IoTデバイスとスマートフォン、IoTデバイスとクラウドなど、それぞれをシームレスに連携させ、――ドアが解錠されたとすると、同一エコシステム上にある全てのIoT端末、スマートフォン、クラウドがその事実を把握する――といった“会話”を意図している。また、そのエコシステム上にBrillo搭載デバイスがあれば、そのデバイスがWeave搭載デバイスを自動認識して制御することもできる。さらには音声での制御も可能だ。

 GoogleはProject Brilloをもって、「家」への参入を一挙に加速させてきたといえる。そしてこれらは、Googleのこれまでの家に対する取組みにおけるミッシングリンクを埋め、広がりを与えるものであるといえる。

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