LED駆動コンピュータからAIでストII対戦、「Maker Faire Tokyo」はやっぱり“才能の無駄づかい”であふれてた(初日まとめ)Maker Faire Tokyo 2015(1/3 ページ)

Makerムーブメントの祭典「Maker Faire Tokyo 2015(MFT2015)」。LED駆動コンピュータから画像認識のAIでストII対戦、枡が光りマスなど、“才能の無駄づかい”をまとめてご紹介。

» 2015年08月02日 01時38分 公開
[渡邊宏MONOist]

 会場を東京ビッグサイトに移して2回目の開催となる、Makerムーブメントの祭典「Maker Faire Tokyo 2015(MFT2015)」(2015年8月1〜2日、東京ビッグサイト)。

 予想最高気温35度の外気に負けない出展者の熱気が渦巻くイベントとなった、初日(8月1日)の様子をご紹介!

photo 会場は前回に引き続き東京ビッグサイト 入場料は大人1500円、18歳以下700円(前売り1000円/500円)
photo 開場前からこの人だかり

 MFT2015の出展者数は2014年11月の開催を上回る、約350組(MFT2014の出展者数は約300組)となり、はんだ付け体験やAgICマーカーを使った光るうちわづくりといったワークショップや子どもはもちろん大人も楽しめるキッズスペース、猛暑にうれしい「水ヘボコン」など内容は多岐に渡る。しかし、やはり中心は“個人によるモノづくり”。300を超える展示を全て紹介することはできないので、目を引いたモノをピックアップしてみた。

“尖った時計”だって自分で作る

 Ginger Design Studioが出展していたのは、外観を自由にデザインできる腕時計「Starter Watch」。Webサイトで自由に腕時計の外装をデザインして注文すると、DMM.makeの光造形 3Dプリンタで出力し、手元に届くという製品だ。

photo 外観を自由にデザインできる「Starter Watch」

 デザインするといっても3D CADほどの自由度はないが、基本となるパターンを3つに絞り、Webブラウザの画面でなんとなくいじっているとそれっぽいデザインの時計が出来上がる。素材はアクリルで色は素材色の生きるホワイトやピンク、ブルーなど6色を用意する。

photo デザインはWebブラウザ経由で直感的に行える

 Webサイトは既に完成しており腕時計のデザインをすることはできるが、まだ実際の製品提供(サービス提供)は未定。価格も未定だが、「尖ったデザインも可能なので、カジュアルウオッチとして受け入れられる価格帯を目指したい」としている。

このコンピュータ、LED駆動

 KataandTakaが展示していたのは、ICを使わないコンピュータ「スーパーLチカコンピュータ」。計算を行う論理回路をDTL(ダイオードトランジスタロジック)で作成し、ダイオードの代わりにLEDを用いることで「LEDで作るコンピュータ」を実現している。

photo LEDで作ったコンピュータ「スーパーLチカコンピュータ」 制作者の方は半導体関係のお仕事ではなく、「完全に趣味」とのこと。希望があれば展示品の販売も行うそうだ

 Lチカというと電子工作では“LEDを光らせる”の意味になることが多いが、このスーパーLチカコンピュータではLEDそのものが論理回路になっているところが面白い。LEDではメモリを作れないので、レジスタなどはトランジスタで作られており、“ICレス”となっている。

フォースとともにあらんことを

 「ライトセーバーシリーズ」を毎回出展しているTACの新作の1つとして展示されていたのが「Jedi Training Device」。スクリーン正面にセットされたカメラでライトセーバーを認識し、スクリーンに映し出された光点(ブラスターからの光線)をライトセーバーで撃ち返すと得点になる。

「Jedi Training Device」光点を切りに行くというより、防ぐ感じでセーバーを振るのがコツ

ヒトと画像処理&FPGAのAI、ストIIで対戦

 ヒトとAIの戦いをスーパーファミコン版「ストリートファイターII」で実現したのが、「ハードウェアとか研究所」の「対決!超反応昇龍拳」。単なるCPU対戦ではなく、AI(的なもの)がプレーヤーキャラクターの動きを画像認識で取得、対応すべき動きをFPGA(TerasicのDE0-nano)を使ったデバイスで入力する。

photo 画像認識によってヒト(プレーヤーキャラ)の動きを認識
photo コントローラー操作はFPGAのデバイスで

 AI側は手でコントローラーを操作しないのでコマンド入力ミスをせず、また、実装している画像処理はほぼリアルタイムでの処理を行っているので、ほぼフレーム単位での反応が可能となっているため、AIの勝率は約95%にも及ぶという。「飛び込んでくるキャラクターに対して、昇龍拳を最速で入力し、ほぼ確実に迎撃できます」(出展者)

photo システム全景 画像認識は処理が重いので、AI側はリュウしか選ばない(ステージもリュウのステージしか選べない)

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