航空エンジン部品のアディティブ・マニュファクチャリングで仏2社が提携製造マネジメントニュース

ダッソー・システムズと仏サフラン・グループは、アディティブ・マニュファクチャリングで提携することを発表した。これにより両社では、アディティブ・マニュファクチャリングのバーチャル検証技術を開発するという。

» 2015年08月05日 09時00分 公開
[MONOist]

 ダッソー・システムズは2015年6月18日、仏サフラン・グループと、航空エンジン部品のアディティブ・マニュファクチャリング(Additive Manufacturing: 積層造形)で提携することを発表した。これにより両社では、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォーム上で、アディティブ・マニュファクチャリングのバーチャル検証技術を開発するという。

 アディティブ・マニュファクチャリングは、一般に3Dプリンティングと同義とされる。設計、エンジニアリング、製造、材料科学にコンピュータ・ソフトウェアを活用し、パーツやサブシステムの立体(3D)モデルを作製して、液状または粉体材料の積層化・固化により、実物を作り出すアプローチとなる。こうした製造プロセスを航空産業に導入することで、生産に要する時間の短縮、強度、重量、環境への影響などにおいて、製品パフォーマンスの向上を図るという。

 今回の提携により、ダッソー・システムズの3Dエクスペリエンス・プラットフォームと、航空宇宙・防衛・安全保障分野の世界的グループであるサフランの技術を組み合わせ、アディティブ・マニュファクチャリングのためのエンドツーエンドのデジタル・ソリューションを開発する。

 新プロセスは、設計・製造の上流工程である材料設計のフェーズや、下流の生産工程・検証にも適用できる。これにより、例えばエンジン向け部品では、アディティブ・マニュファクチャリングでの製造に必要な全てのエンジニアリング・パラメータをデジタル情報基盤上に集約・可視化できる。可視化できるパラメータには、材料科学、機能仕様、ジェネレーティブ・デザイン、3Dプリンティングの最適化などが含まれるという。

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