「誠に遺憾」Cerevoが「OTTO」国内販売自粛、違法の可能性受けOTTO

Cerevoは同社が製造、販売を行っていた電源タップ「OTTO」の国内販売を自粛すると発表した。経済産業省から「違法の可能性がある」と指摘されたため。

» 2015年08月12日 17時20分 公開
[與座ひかるMONOist]

 Cerevoは2015年8月11日、同社が製造・販売を行っていた、スマートフォンから操作できる電源タップ「OTTO」の国内販売自粛を発表した。理由として同社は「経済産業省より、電気用品安全法違反となる“可能性”があると指摘を受けた」と説明するが、検査機関であるJET(一般財団法人電気安全環境研究所)からは事前に「問題ない」という趣旨の判断をされていたことなどから、この指摘に遺憾の意を表している。

 OTTOは、調光機能を備えるスマートフォンから操作できる電源タップで、Cerevoが2015年4月に販売開始した製品だ。同社はOTTOを電気用品安全法上での「サービスコンセント付き調光器」と判断し、その法律に沿うような形で企画開発を進めていた。同法の検査機関であるJETからも「届出、表示については、「調光器」にかかわる手続きをもって足りうると判断する」との見解を受け、販売するに至った。

今回、国内販売自粛となった「OTTO」 今回、国内販売自粛となった「OTTO」(出典:Cerevo)

 OTTOの特徴は、前述したようにスマートフォンからの遠隔操作で電源タップのオンオフが可能であることだ。電気用品安全法上の調光器の遠隔操作に関する項目では、“赤外線”を利用した遠隔制御は可とされていたことから、同社はOTTOに赤外線でコントロールを行うリモコンユニットを搭載。直接OTTOをインターネット経由で操作するのではなく、搭載したリモコンユニットをインターネット経由で操作、OTTOに赤外線で指示を出すことで法律に準じていると解釈していた。

 電気用品安全法上ではクリアしたと思われた同製品だが、経済産業省電気用品安全課より、「OTTOは『通信回線経由で操作する』一体の製品に値するため、通信回線による遠隔操作としての安全性が確認されない限り、電気用品安全法違反となる“可能性”がある」と指摘を受けたとCerevoは説明。法律に抵触する可能性が高いことから、国内販売自粛に至った。

 OTTOの輸入および国内での販売が法に触れる可能性があるということで、既購入者の使用継続は問題ないとしている。同社はOTTOの「通信回線による遠隔操作の安全性」の確認予定については発表しておらず、販売については「電気用品安全法に関する省令の改正または解釈の変更がない限り日本国内の販売は自粛とし、欧州・米国をはじめとする海外で展開してまいります」としている。

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