オープンソースの無償3D CAD「FreeCAD」を使ってみた無償3D CADレビュー(5/6 ページ)

» 2015年08月26日 11時00分 公開
[小林由美MONOist]

3Dモデリング機能

 モデリング機能についても基本的なものが大体そろっている。

モデリングのアイコン

 あらかじめ作成したスケッチを選択してから「押し出し」、またはコンボビューのタスクから「押し出し」を選ぶと、形状に厚みが付けられる。押し出しで作ったフィーチャは「Pad」になる。


押し出し(左)とポケット(右)
押し出し

 コンボビューのタスクにある「押し出しパラメータ」の「長さ」はスケッチ面に対する厚さに相当する。「面に対して対称」「逆方向」のチェックボックスを選択することで押し出す方向のコントロールが可能だ。「タイプ」では寸法入力以外に押し出し量を制御する方法が選べる。

「タイプ」の選択

 穴や溝は「ポケット」という機能名になる。貫通させたり、任意の深さまで掘ったりなどができる。押し出しと同様に方向などのコントロールが可能だ。

 フィレットや面取りは簡単にできる。処理したいモデル稜線を選択してアイコンを選択すればよい。「タスク」に表示されるパラメータ欄で寸法が設定できる。

左からフィレット、面取り、ドラフト:ドラフトは勾配を付けたい面を選択する
フィレット

面取り

 回転複写ではスケッチ軸を作図線などで作る必要はなく、自動判定される。コンボビュー内の「回転パラメータ」「軸」でどの方を軸にするか選択できる。

回転複写
回転複写の基になるスケッチ

水平スケッチ軸で回転複写

垂直スケッチ軸で回転複写

 ミラー複写は最新の形状として表示されている1フィーチャしか含められない。対象軸はスケッチ軸(作業エリアのXY軸)か、フィーチャ端面しか選べず、スケッチの線は選べない。少々頭を使って使いこなす必要がありそうだ。

左からミラー複写、直線状パターン、円形パターン、複合パターン
ミラー複写:うまくやらないと、こうなってしまう……

 パターン複写の操作は、元になる形状を選択してから「直線状のパターン形状」アイコンを選ぶ。コンボビュー「タスク」の「方向」で水平方向か垂直方向か選び、パターン全体の長さ(複写後の端から端までの長さになる)、「開始位置」(パターン数)を入力する。

直線状パターンのタスク

直線状パターンで複写された形状:小さい円柱を100mmの範囲に6つ複写

 回転パターンも直線状パターンと同様な手順で可能だ。こちらは回転させる角度と開始位置(パターン数)を入力する。

回転パターンのタスク

回転パターンで複写された形状:円形の溝を360度で6つ複写

 パターン複写は、複数のパターンを組み合わせることが可能だ(「マルチ変換による形状を作成」)。下記は直線複写を組み合わせた例だが、回転複写やミラー複写も含められる。

「マルチ変換による形状を作成」のタスク

直線状パターンを縦横に並べた例

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