組み込み市場、自動車とエネルギーは堅調組み込み市場調査

ミック経済研究所が、組み込みシステム関連企業を対象とした市場調査資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望 2015年度版」を発刊した。

» 2015年09月07日 15時00分 公開
[渡邊宏MONOist]

 ミック経済研究所は2015年9月7日、組み込みシステム・ソリューションを対象にした市場調査を実施し、マーケティング資料「エンベデッドシステム・ソリューション市場の現状と展望 2015年度版」を発刊したと発表した。

 今回で10版目となる本調査は、組み込みシステム関連企業156社を対象として面接取材を中心に、アンケートや電話による調査を実施。主要企業65社の個別実態を積み上げて、市場全体を予測したもの。

 同資料によれば2015年度の組み込みシステム・ソリューション市場の市場規模は、前年度比104.3%の1兆110億円となる見込み。ここ10年ほどは緩やかに成長を続けており、資料中でも「今後はIoTに積極的に取り組む企業を中心に市場が活性化すると予測されます」と成長基調に変化はないだろうとしている。

 製品分野別での売上高では自動車を含む「運輸/建設機器」が29.2%を占め、また、「運輸/建設機器」は3年間の平均伸長率も14.1%と高く、ADASや自動運転、電気/ハイブリッド自動車といった自動車の高度化が市場を押し上げている格好だ。同様に高い伸長率を示しているのは「エネルギー関連」(19%)、「スマートアグリ/農業関連」(26%)で、震災からの節電・エネルギーシフトへの興味は継続していることが伺える。

 その一方、3年間の平均伸長率で大きく数値を下げているのは「民生用通信端末」(携帯電話)。2010年度には市場全体の23.9%を占めていたものが、2015年度見込みでは7.9%まで低下しており、国内メーカーの撤退や海外シフトもあり、傾向としては継続されるだろうと予測している。

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