躯幹部の検査が可能な3テスラMRIシステムの最新機を発売医療機器ニュース

東芝メディカルシステムズは、3テスラMRIシステム「Vantage Titan 3T iS Edition」のグローバル販売を順次開始する。従来品に比べ、より高品質な画像を取得でき、位置決めアシスト機能などが拡充された。

» 2015年09月24日 08時00分 公開
[MONOist]

 東芝メディカルシステムズは2015年9月8日、3テスラMRIシステム「Vantage Titan 3T iS Edition(バンテージ タイタン スリーティー アイエス エディション)」のグローバル販売を順次開始すると発表した。

 Vantage Titan 3Tは、RF送信技術「Multi-phase Transmission」を搭載することで、従来の3テスラMRI装置では困難だった躯幹部の検査を可能にしたもの。さらにiS Editionでは、コンパクトなシステムのニーズに対応し、最小設置スペースを36m2とした他、3つの機能を大幅に強化した。

 強化された機能の1つは、「画像の品質向上」だ。同製品は、2014年11月に発売した「Saturn Gradient」で採用した新型傾斜磁場コイル機構を搭載している。高い冷却能力と振動抑制技術により、撮像中の傾斜磁場コイルの発熱による中心周波数の変動と、振動による信号の分散を信号レベルで抑制。これにより、高品質な画像を安定して取得できる。

 また、フレキシブルなパラメータ変更で装置性能を最大限に引き出す新シーケンス制御機構により、T2スター値の短い組織を画像化するUTE(Ultra short TE)の撮像も可能となった。UTEによって、肺野領域の検査など従来のMRIでは困難だった部位でも画像化できるようになる。

 2つ目は「検査効率の最大化」で、頭部、心臓、脊椎の形状を解析し、診断に必要な断面の位置決めアシストをする機能を拡充させることで、検査効率と再現性を両立させた。心臓位置決めアシスト機能では、心臓左室の基本6断面設定に加えて、右室と弁および流出路の8断面も設定可能になった。さらに、新たに搭載された「SUREVOI(シュア ブイオーアイ)」アプリケーションでは、被検者の心臓位置を解析・自動認識する。

 3つ目は「安心で確実な検査」で、登録されているソフト以外は動かないホワイトリスト方式セキュリティシステムを搭載。同製品は、米国国防総省のネットワークセキュリティガイドラインに適合するとして、米国空軍からApproval To Operate(ATO)を受けている。他に、万一のシステムトラブルに対するアラート機能の強化や、ハードウェアを迅速にリセットする機能などを新たに追加し、従来のリモートメンテナンス機能と合わせ、ダウンタイムを最小化した。

photo Vantage Titan 3T iS Edition

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