オムロン「家族目線」は13の画像センシングで需要の可視化も狙うCEATEC 2015

オムロンブースで目を引くのは卓球ロボットだが、家族やペットの見守りを行うカメラユニット「家族目線」はまた違った意味で興味深い。

» 2015年10月08日 16時00分 公開
[渡邊宏MONOist]

 CEATEC JAPAN 2015のオムロンブースで最も目を引くのは、“ロボットによる人への支援”を体現する非売品の「卓球ロボット」だが、家族やペットの見守りを行うカメラユニット「家族目線」はまた違った意味で興味深い。

 この「家族目線(HVC-C2W)」はいわゆる一般向けネットワークカメラで、撮影した映像をスマートフォンやタブレットから確認できる。無線はIEEE 802.11b/g/nに対応し、映像の最大解像度は1280×720ピクセルとなる。価格は2万9800円。

「家族目線(HVC-C2W)」 「家族目線(HVC-C2W)」

 カメラとしての仕様は平凡だが、取得した映像情報に対して「顔検出」や「表情推定」など人の状態を把握する13のセンシング機能を有しており、それらの情報(API)もWebサイトやGitHubなどで公開されている。オムロンヘルスケアの製品を除くと法人向けが多い同社の製品としては異例の扱いといえる。

 オムロンからアプリとして現時点で提供されているのは「家族目線 赤ちゃん」「同 ペット」の2種類。「赤ちゃん」であれば表情検知と音声検出で本泣きとなる前におかあさんにアラートを送る、「ペット」であれば留守中でもカメラを向いたらペット検出で自動シャッターを切るなど、映像が見られるだけではなくセンシングを活用した機能が実装されている。

 用意されているセンシング機能は顔検出、表情推定、人体検出、手検出、顔向き推定、視線推定、目つむり推定、年齢推定、性別推定、顔認証、ペット検出、動体検出、音声検出とバラエティに富む。

 現在は赤ちゃんとペットの見守りアプリだけが用意されているが、ショッピングセンターで視線推定、オフィスで顔認証など、利用対象とセンシングの組み合わせは多く考えられるため、同社では開発環境を提供することで潜在的な需要の可視化を図り、家庭以外での利用も進めたい考えだ。

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