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» 2015年10月21日 17時00分 UPDATE

東京モーターショー2015:次世代電気自動車はトルクベクタリングが可能に、NTNが駆動システムを一括提供

NTNは、次世代電気自動車向けに、左右の車輪をそれぞれ専用のモーターで駆動する「2モータオンボード駆動システム」を開発した。「東京モーターショー2015」で公開する。2025年度に年間15億円の売上高を見込んでいる製品だ。

[朴尚洙,MONOist]

 NTNは2015年10月21日、次世代電気自動車(EV)向けに、左右の車輪をそれぞれ専用のモーターで駆動する「2モータオンボード駆動システム」を開発したと発表した。「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)で公開する予定。2025年度に年間15億円の売上高を見込んでいる。

NTNの「2モータオンボード駆動システム」 NTNの「2モータオンボード駆動システム」(クリックで拡大) 出典:NTN

 現行の電気自動車は、走行用モーターを1個だけ搭載するものが多い。この1モーター式電気自動では、一般にディファレンシャルギヤ(差動歯車装置)を介して、1個のモーターの動力を左右輪に配分するため、その左右の駆動力は常に等しい。このため、氷結路などではスリップしやすくなる。

「2モータオンボード駆動システム」の搭載例 「2モータオンボード駆動システム」の搭載例。前輪駆動、後輪駆動の他、前後輪とも組み込んで四輪駆動にすることもできる(クリックで拡大) 出典:NTN

 新たに開発したは、2組分のモーターと減速機を組み合わせたユニット持つモーター駆動装置を1本の車軸上に搭載し、これらを1個のインバータユニットで制御する構成になっている。左右の車輪について、それぞれ専用のモーターで駆動できるので、車輪にかかる駆動力配分を積極的に制御するトルクベクタリングが可能になる。従来の電気自動車では難しかった、カーブや滑りやすい路面での走破性を高められる。

 2モータオンボード駆動システムによるトルクベクタリングの効果も発表されている。スラローム走行時は、ヨーレートの応答遅れを約5分の3に削減でき、スリップ路面走行時は、走行軌跡の目標からの偏差を2分の1以下に抑制できるという。

トルクベクタリングの効果 トルクベクタリングの効果(クリックで拡大) 出典:NTN

 製品は、同社が得意とするハブベアリングとドライブシャフトに、モーター駆動装置、インバータをセットにしたモジュール商品として一括提供する方針である。この提供方法により、従来のサスペンション構造を変更することなく車両に搭載できるので、既存ボディの流用による車両開発コストの削減につなげられるとしている。

 モーター1個当たりの最高出力は50kW、最大トルクは110Nm。重量は、ハブベアリング、ドライブシャフト、モーター駆動装置、インバータを含めて160kgとなっている。

トルクベクタリングはホンダも「SH-AWD」で実現

 2モータオンボード駆動システムと同じように、2個のモーターを使ってトルクベクタリングを実現している事例がある。3モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用するホンダの新型「レジェンド」だ。新型レジェンドでは、後輪側に2個のモーターを持つTMU(ツインモーターユニット)を配することでトルクベクタリングを実現している。

 東京モーターショー2015でホンダが公開する新型「NSX」も「SPORT HYBRID SH-AWD」を搭載しているが、こちらは前輪側にTMUを配してトルクベクタリングを行う構成になっている。

新型「NSX」の「SPORT HYBRID SH-AWD」の構成 新型「NSX」の「SPORT HYBRID SH-AWD」の構成。前輪側にTMUを配し、エンジンと残りの1モーターは車両後部に設置されている(クリックで拡大) 出典:ホンダ

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