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» 2015年11月05日 06時00分 UPDATE

製造IT導入事例:生産ラインでのIoT実証実験を開始、生産効率30%上昇へ

NECは、生産ラインの効率改善のため、IoTを活用した実証実験を開始した。2015年10月には、福島県福島市のNECネットワークプロダクツの本社工場で開始。2015年度中には静岡県掛川市のNECプラットフォームズ掛川事業所でも開始する。

[三島一孝,MONOist]

 NECは2015年11月4日、無線通信機器や放送機器などを生産する福島県福島市のNECネットワークプロダクツ本社工場において、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した実証実験を同年10月から開始したことを発表した。2015年度(2016年3月期)中には、ホームルーターや組み込み機器などを生産するNECプラットフォームズで掛川事業所(静岡県掛川市)でも実証実験を開始する。

 NECでは2015年6月に、IoTを活用した製造業支援ソリューションとして「NEC Industrial IoT」を発表。次世代モノづくりの手法を確立するため、自社内での実証に力を入れる方針を示す※)

※)関連記事:米独の製造業革新に対抗する“日本版”構築へ、NECがIoTモノづくり基盤を発表

 今回、実証実験を開始したNECネットワークプロダクツ本社工場では、経営者・工場管理者・現場の各階層で適切な意思決定を支援するため、複数工場の生産ラインにおける品質や稼働状況など、人・設備・モノに関する情報の一元的な見える化に取り組む。

稼働状況の見える化とデータの活用

 具体的には、複数工場の各生産ラインにおける品質(不良率)、稼働状況(生産時間・点検時間など)、作業員の作業内容、使用電力量、設備(修理内容・プロセス状態・加工状態など)、治具(使用回数・修理内容など)、材料(消費期限)など、人・設備・モノに関する情報を電子化・収集し、一元的に見られるようにする。経営者には生産マップ見直しや工場進出など経営判断に必要なサマリー情報、工場管理者にはライン別稼働率・負荷見込みなど工場運営に必要な生産概況、現場層には現場改善に必要な詳細情報、と階層に応じた見える化画面なども用意。必要な情報の容易な把握を可能としたという。

 さらに、NEC独自の「物体指紋認証技術」を活用し、プリント基板の個体管理を実施する。個々のプリント基板の側面をカメラで撮影し、物体指紋を取得・認証することで、バーコードやRFIDタグを貼付することなく容易にトレーサビリティを実現することが可能だ。

 また、人工知能ソフトウェア「NEC Advanced Analytics - RAPID機械学習」を活用した作業員の異常作業の検出なども行う。装置組立ラインのカメラ映像から、作業員の異常作業をリアルタイムに自動検出し、不良発生リスクをその場で検出・手直しできるようにする。さらに作業改善・作業者教育を行うことで、品質向上を実現する。独自のビッグデータ分析技術により、プレス機に取り付けたセンサーの情報からプレス品質や金型の摩耗状態を予測する予防保全などにも取り組む。

生産性を30%向上

 同社では、今回の実証実験の結果を踏まえ、2016年度以降にIoT活用標準システムの構築および各生産拠点への展開を推進することで、生産効率の従来比30%向上を目指す。併せて、今回の実証実験で得た知見を「NEC Industrial IoT」の各ソリューションにも活用していく。

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