物体指紋認証技術でプリント基板を個体管理、NECが実証事例をデモスマートファクトリー(1/2 ページ)

NECのユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」では、同社の福島工場で実証実験を進めている、物体指紋認証技術によるプリント基板の個体管理やIoTを活用した品質管理の参考デモを披露した。

» 2015年11月13日 15時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 NECは、同社のユーザーイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2015」(2015年11月12〜13日)で、2015年11月4日に発表した同社の福島工場でのIoT実証実験の参考デモを披露した。実際に福島工場でのリアルタイムの生産状況などを示すとともに、物体指紋認証技術によるプリント基板の個体管理やIoTを活用した品質管理などの技術を紹介した。

 同社は、無線通信機器や放送機器などを生産する福島県福島市のNECネットワークプロダクツ本社工場において、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した実証実験を同年10月から開始したことを発表しているが、同イベントで出展したのは、この福島工場で実際に活用されている技術の一部である(関連記事:生産ラインでのIoT実証実験を開始、生産効率30%上昇へ)。

 福島工場では、IoTを活用し各生産ラインにおける品質や稼働状況、作業員の作業内容、使用電力量、設備、治具、材料など、人・設備・モノに関する情報を電子化して収集。一元的に把握できるようにしているが、同イベントでは、実際に福島工場のリアルタイムの稼働状況を示しながら、遠隔地でも製造状況や問題点などを把握できる利点について紹介した(図1)。また、経営層に対しては、為替の状況など、経営判断につながる指標と工場の稼働状況を組み合わせて表示する経営ダッシュボードなども用意している。

photo 図1 IoTにより稼働状況を“見える化”した「IoT Monitor」。一番上の項目が福島工場のリアルタイムの状況(クリックで拡大)出典:NEC
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