6軸産業用ロボットにおいて「折り畳み式」を実現、セイコーエプソンが開発産業用ロボット

セイコーエプソンは折り畳み式新型アーム構造を採用した省スペースでの設置が可能な6軸の垂直多関節型産業用ロボットを開発。その第1弾製品を2016年5月に全世界で発売する。

» 2015年11月20日 15時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 セイコーエプソン(以下、エプソン)は2015年11月19日、折りたたみ式新型アーム構造を採用し省スペースでの設置が可能な6軸の垂直多関節型産業用ロボット「Nシリーズ」を開発したと発表した。6軸ロボットでの折り畳み構造は「世界初」(同社調べ)としており、2016年5月から全世界で展開するという。

photo エプソンの新小型6軸ロボット「Nシリーズ」 出典:エプソン

 「Nシリーズ」は、新型アーム構造により、省スペース化を実現できた点が特徴だ。人が作業するのと同等の600mm四方のスペースがあれば設置可能となる。さらにアームを折り畳んだ時に肘が架台などに干渉せず、従来の6軸ロボットよりも周辺との干渉回避動作が減ったため、タクトタイムを短縮させるという効果も生み出しているという。調整、教示時間も削減し立ち上げ時間の短縮も実現する。

 また6軸でありながら、ショートカットモーションで多面方向へのアクセスが可能で、繰り返し精度は±20µmを実現。エプソン従来製品のスカラロボット「RSシリーズ」と取り付け互換の仕様になっており、既存生産ラインへの適用も容易になっていることも特徴だ。

 製造現場では自動化へのニーズが高まっている一方、従来の自動化装置では、大きな設置スペースを要し、人と同等の作業スペースでの置き換えが困難だった。そのため狭い空間でも設置できる生産性の高いロボットが望まれている。これらの特長から、「Nシリーズ」は、欧米、中華圏での電子機器・電子部品や車載部品の組立および検査作業、医療分野などの用途への提案を計画。ネジ締め、部品挿入、検査装置への製品のセット、部品供給などの領域の自動化に貢献していくという。

 Nシリーズの主な仕様は以下の通りだ。

photo 「Nシリーズ」の主な仕様 出典:エプソン

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