無償3D CGソフト「Blender」で色付きの3Dデータを作ってカラープリントする3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(47)(4/4 ページ)

» 2015年11月30日 10時00分 公開
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さあ、カラー3D出力しよう

 さて、せっかく色付きのイルカができたので、3Dプリンタで出力してみたいと思います。標準的なSTLでは、色の情報をサポートしていないので、別のファイルフォーマットでエクスポートする必要があります。どのようなフォーマットなら受け付けてもらえるのかは、3D出力サービスのWebサイトにも表記されています。

 ここでは、カラーデータが添付できるOBJ形式でエクスポートしてみます。

OBJ形式でエクスポート

 OBJ形式でファイルをエクスポートすると、拡張子がobjかmtlのファイルが作成されます。これに先ほどの色情報のある画像ファイルをひとまとめにして、3D出力サービスに依頼してみます。

 ということで、こんな感じにちゃんと色付きのモデルになってくれました。

できた!

 ちょこちょこっとやった割には、それなりにきれいにできたのではないでしょうか!

 冒頭でも書きましたが、普段仕事で3D CADのみで作業していて、パーツなどの3Dプリントをしているという人は、この手の流れってなじみがないんじゃないかと思いますが、やってみると案外楽しいかもしれませんよ。

おまけ:3D CADの場合はどう?

 最後に、「3D CADのデータを色付きで3D出力できないこともない」という話です。この「Inventor」で作った3Dモデルは、Zゲージサイズのジオラマ模型の簡単なサンプルデータです。今回はこちらを使って説明します。

Zゲージサイズのジオラマ模型の簡単なサンプルデータ

 3Dモデルを作った後に、フィーチャー単位あるいは面単位で色と定義しています。

 これを普通にSTLで出力しては色の情報が載りません。でも、CADによっては「色付きSTL」で出力することが可能です。

 例えば、Inventorでは、オプション画面の下の方に何げなくある「色をエクスポート」にチェックを付けてエクスポートすると、色情報も合わせてSTLにエクスポートしてくれます。

「色をエクスポート」にチェックをつけてエクスポート

 これはSTLの一部の領域を転用して色を定義しているようですね。

 あくまでも、「色情報をエクスポートできること」と、「3D出力サービスでそれを受け付けてくれる」という条件付きではありますが、それが可能だということです。

 そして、こんな風に、ちゃんと細かいところまで色が付いて出てきます。

こんな感じ

 インクジェット方式などと比べると詳細度は甘いですが、屋根瓦なども思ったよりも細かい形状が出ているので、これに色を付けると楽しいですよね。


 ということで、今回は色付きデータの3D出力にまつわるお話でした。

 次回、皆さんとお会いするのは年越し後になります。まだ師走前ですが、皆さまよいお年を! ではでは!

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Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。マルチ・ディメンション合同会社社長。3D-GAN理事。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わった他、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開している他、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)などがある。


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