自動車生産ライン向け摩擦攪拌接合ロボットを開発、200kg可搬クラスに対応FAニュース

日立パワーソリューションズとトライエンジニアリングは共同で、多関節ロボットを用いた摩擦攪拌接合ロボットを開発した。アルミなどの薄肉材料の接合に対応し、自動車生産ラインへの導入を目指す。

» 2015年12月08日 07時00分 公開
[MONOist]

 日立パワーソリューションズは2015年11月25日、トライエンジニアリングと共同で、多関節ロボットを用いた摩擦攪拌接合(FSW)ロボットを開発したと発表した。アルミなどの薄肉材料の接合に対応するもので、今後、自動車生産ラインへの導入を目指す。

 FSWは、接合ツールの回転で発生する摩擦熱で被接合材料を軟化させ、かき混ぜることで接合する技術だ。従来の溶融溶接や抵抗溶接に比べて接合強度が強く、接合変形や内部欠陥が少ない接合ができる。同社では、この技術を取り入れたFSW装置を販売しているが、今回、同社のFSWの技術とトライエンジニアリングのロボット制御技術を融合させ、複雑な曲面でも摩擦攪拌接合が可能なFSWロボットを開発した。同社のトルク制御技術により、接合ツールの被接合材に対する挿入深さを一定に保つことで、高品質の接合が可能になるという。

 また、6軸多関節ロボットとロボット制御技術を組み合わせたことで、自動生産ラインに適した200kg可搬クラスロボットでのシステム構築が可能。複数台のインライン化により、作業時間を短縮できる。既存ラインへも適当が可能だ。

 さらに、先端ツールが自動で交換できる機能をオプションで備えた。これにより、接合時に発生した突起物の除去や加工作業にも対応できる。

 発売は2016年4月の予定。2015年12月2日から東京ビッグサイトで開催される「2015国際ロボット展」に出展する。

photo ロボットFSWの外観

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