新型「プリウス」のイメージカラーは「情熱の赤」と「世界初の緑」車両デザイン(1/2 ページ)

トヨタ自動車の新型「プリウス」のイメージカラーは赤色の「エモーショナルレッド」と緑色の「サーモテクトライムグリーン」だ。新型プリウスのWebサイトのトップページに登場する車両のボディカラーがこの2色しかないことからも、その意図が読み取れる。

» 2015年12月16日 06時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 トヨタ自動車が2015年12月9日に発売した新型「プリウス」は、同車をイメージするボディカラーとして赤色の「エモーショナルレッド」と緑色の「サーモテクトライムグリーン」を採用している。新型プリウスWebサイトのトップページのアニメーションに登場するボディカラーがこの2色しかないことからも、その意図が読み取れる。

新型「プリウス」を代表するボディカラー「エモーショナルレッド」(左)と「サーモテクトライムグリーン」(右) 新型「プリウス」を代表するボディカラー「エモーショナルレッド」(左)と「サーモテクトライムグリーン」(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 3代目までのプリウスのボディカラーといえば、ハイブリッド車=エコカーをイメージさせるライトブルーやライトパープルなど淡い色合いがイメージカラーとなっていた。しかし「『アクア』の投入によって日本市場におけるハイブリッド車の地位を確立できたこともあり、新型プリウスではハイブリッド車ではなくプリウスというクルマとしての表現をしようということになった」(同社の説明員)。

 そこでイメージカラーとして選ばれたのが赤色のエモーショナルレッドだ。赤色を選んだ理由は、「新型プリウスが従来モデルと比べて全面的に変わったことを示すためだ。それまでのプリウスのイメージから一番遠い色として赤色を選んだ」(同説明員)という。

 従来のプリウスも赤色を選択できなかったわけではない。しかし新型プリウスを代表するイメージカラーになることから、従来の赤色よりも透明感のある赤色を新たに開発した。それがエモーショナルレッドだ。

 従来の赤色は、基層となる鋼板/電着/中塗の上にくる着色層の中に、高彩度の赤色顔料と高輝度アルミを混合していた。この場合、光が当たったときの反射が鈍ってしまうため、赤色がくすんで見えることもあった。

従来の赤色(左)と「エモーショナルレッド」(右)の比較 従来の赤色(左)と「エモーショナルレッド」(右)の比較。彩度と陰影感を高められている(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 一方のエモーショナルレッドは、基層の上に高輝度アルミによる反射層、その上に赤色顔料による透過層を重ねることで、着色層を二層に分ける塗装工程を採用した。これにより、強い立体感を生み出す反射層による強い反射と、深みを生み出す赤色の反射が得られ、従来よりも透明感のある赤色になるという寸法だ。

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