コースレイアウト全面変更、新難所では「新幹線」が走る〜ETロボコン2015チャンピオンシップ大会〜ETロボコン2015(4/5 ページ)

» 2015年12月28日 12時15分 公開
[大塚実MONOist]

 イノベーター部門では、当たり前ながら、この「パフォーマンスで成功する」ということが非常に重要だ。テーマは面白くても、当日のパフォーマンスがうまくいかないと、競技審査の点数は伸びない。これでは上位入賞は難しいので、環境が多少違っても問題無く動けるロバスト性も必要だ。

 そういう意味では、「Joker 艮」(東北大学大学院 情報科学研究科)はもったいなかった。同チームは、地元仙台の“ギンナン問題”を解決するというテーマで、落ちてくるギンナンをキャッチする「チョウキャッチ」と、落ちているギンナンを拾い集める「チョウクリーン」の2台を開発した。

photo 「Joker 艮」の「チョウキャッチ」。キャッチに挑戦するものの……

 パフォーマンスでは、チョウキャッチの高速な全方向移動が見どころだったのだが、なぜかほぼ動かず。落下してくる“ギンナン”を、1つも取ることができなかった。企画審査が3位だっただけに、これは非常に惜しかったところだ。

「Joker 艮」のパフォーマンス

 また、ロボットの意味はほとんど無かったものの、面白かったのが「ほぼ組T」(日立製作所 研究開発グループ)のスマートデバイス充電サービスプラットフォーム「PoiDeCo(ポイデコ)」だ。なんと事業計画まで考えているとのことで、既に特許も出願しているという。

photo 「ほぼ組T」のシステムは実用性が高い。説明も面白かった

 スマホ利用者にとって、バッテリー切れは深刻な問題だ。このPoiDeCoのポイントは、店舗などの事業者が充電用の電力を提供すると同時に、USB経由で利用者のスマホの状態を制御できるようにすること。映画館ではマナーモードに変更させるなど、場所に合わせた適切な設定にすることができて、事業者側にも大きなメリットがある。

「ほぼ組T」のパフォーマンス

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