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» 2016年01月12日 00時00分 UPDATE

米ウインドリバー プレジデント ジム・ダグラス氏:ビジネスとして走り出すIoTをエッジとクラウドでカバーする

IoT OSベンダーによる無償OS提供――ウインドリバーは2015年に根幹となる戦略を大幅に転換した。IoTという時代の波を受け、30余年の社歴を持つ企業がスタートアップの精神で取り組むのは、組み込みOSというコアビジネスを有した上での、クラウドソリューションプロバイダーへの変身だ。

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2015年に起きた「3つの変化」

米ウインドリバー プレジデント ジム・ダグラス氏 米ウインドリバー プレジデント ジム・ダグラス氏

――2015年にはOS「Wind River Rocket」「Wind River Pulsar Linux」の無償提供やクラウド「Wind River Helix Cloud」への注力など目を引くアクションが多くありましたが、ご自身として変化点、注力点を挙げるならばどこになるのでしょうか。

ダグラス氏 変化点としては「OSカンパニーからクラウドソリューションプロバイダーへの変革」「変革を実現するための組織体制変更」「価値提案を行うためのパートナーシップ強化」の3つを挙げられると思います。

 「VxWorks」「Wind River Linux」を有するOSカンパニーとしての事業はコアビジネスであり私たちの誇りですが、クラウドビジネスに対しては俊敏性やトライ&エラーが重要であり、OS中心のコアビジネスが重視すべき安定性や継続性という要素からは相反する部分が多分にあります。

 そのためにコアビジネスとクラウドビジネスは組織として分割しました。1981年の創業より30年以上に渡って成功してきたビジネスを変革し、スタートアップとしての精神を持ってクラウドビジネスを加速させることは大きなチャレンジでしたが、それは成功したと考えています。

――先ほど「3つの変化」を挙げられましたが、航空宇宙や防衛分野などで確固たる存在感を持つウインドリバーがなぜ、変化しなくてはならなかったのでしょう?

ダグラス氏 それはシンプルで「顧客の要望に応えるため」です。これまで30年以上にわたり、私たちは堅牢なOSを提供するベンダーとして活動してきましたし、ウインドリバーのOSを搭載した機器は完成後、安定して動き続けることが重要視されてきました。ですが、「機器が得たデータを活用したい」という要望が高まり、クラウドソリューションの事業を立ち上げることにしたのです。

 クラウド部門は立ち上げ当初、とても小さなチームでしたが、「なぜデータにアクセスしたいのか」「どのように活用したいのか」といった顧客の声を細やかに拾い上げていき、その要望に応えるべくSDN(Software Defined Network)やNFV(Network Functions Virtualization)などネットワークや仮想化、クラウドに強いスタッフを増員し、トレーニングを重ねてきました。そして今では、従来の製品ラインアップにクラウドのテクノロジーを追加し、「Wind River Helix」というエッジからクラウドにいたる包括的な製品ポートフォリオが実現されました。

 さらに、これら自社内の変革に加え、パートナーとの協業でも新たな取組みを進めています。従来よりウインドリバーは、ハードウェアパートナー、半導体ベンダー、ボードベンダーや、ISVと呼ばれるミドルウェア、ツールベンダーとの強力なパートナーシップを築いてまいりましたが、製品ポートフォリオの拡大に伴い、クラウドプロバイダーやシステムインテグレータをはじめ、IoTやNFV分野において様々な新パートナーとの協業を強化しています。

 このクラウドに関する専門性と、これまで培ってきた組み込み機器への専門性を組み合わせれば、“IoTソリューションプロバイダー”としての存在感を発揮できると考えたのです。幸いなことに数多くの納入実績を得ることもできましたし、「3つの変化」は成功を収めたといえるでしょう。

2016年にIoTビジネスの機は熟す

――2015年の「3つの変化」はウインドリバー自身に起きた変化ですが、2016年にウインドリバーとして仕掛けるアクションとしてはどのようなものを想定していますか。

ダグラス氏 2016年にまず手掛けることはマーケットの最適化と、パートナーとの協業強化を含めたクラウドビジネスの拡大です。施策については日本市場でも同様に推進していくことを考えています。製品開発も引き続き注力するフェーズだと認識していますので、NFVやIoTに関する新製品を投入する予定です。

 市場がどのような状況になってもIoTは商業的に成功する時期に入ると思っています。IoTは「新たな価値の提供」「コストの削減」いずれの実現にも有効な手段であり、2016年は自動車の自動アップデートなどが実用化されるタイミングでもあります。大きなビジネスとしてIoTが動き出す年になるでしょう。

――自動車業界に言及されましたが、他にはどんな産業や分野でIoTが実ビジネスとして動き出すと予想されますか?

ダグラス氏 今申し上げましたように、自動車業界は機が熟したといえます。運輸やスマートグリッドといったインフラ(エネルギー)の分野でもIoTがビジネスとして動き出すと思いますし、産業機器や医療機器なども有望です。

 分野はとにかくとして、IoTの導入が本格化すると膨大なデータが生成されることになるので、通信・ネットワーク機器の高性能/高機能化が求められることになります。私たちはこうした通信・ネットワーク機器向けのテクノロジーも有していますので、大きなビジネスチャンスが生まれると考えています。

――組み込みOSを軸としたコアビジネス、Wind River Helixポートフォリオを軸としたクラウドビジネス、この双方について2016年はどのような戦略で進めていくのでしょう。また、ビジネス領域を拡大するのであれば自ずと競争相手も増えます。ウインドリバーならでは強みとはなんでしょうか。

ダグラス氏 「顧客の声に応える」これが私たちのポリシーです。コアビジネスもクラウドビジネスもそのポリシーに沿っていくことが基本的な考え方ですが、2016年にはクラウドの利用率がさらに上昇すると予測しています。現在、売り上げの多くは組み込み関連のビジネスが占めていますが、5年後をめどにクラウドビジネスを大幅に成長させたいと考えています。

 ウインドリバーのHelix 製品ポートフォリオは、他に類のないものです。なぜなら、エッジにおけるセキュアで管理可能なセンサーやデバイスから、ゲートウェイを介しネットワークを通じてクラウドにいたるまで、IoTのネットワークトポロジーのあらゆるところにテクノロジーを提供できるからです。

 また、30年以上にわたってさまざまなミッションクリティカル分野への製品供給を続けてきたことに起因する「安全性」「セキュリティ」「信頼性」「継続性」への理解は、他社に負けない深いものと考えます。つまり、組み込み機器(エッジデバイス)とクラウド、その両方をカバーしており、それが私たち最大の強みといえるでしょう。加えて、私たちはインテルグループの1社でもありますので、ITについても十分な知見を有しています。


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提供:ウインドリバー株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年2月11日

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