リアルなロボットを追求するココロ、高度な3D設計環境を構築CADイベントリポート(2/4 ページ)

» 2016年01月18日 10時00分 公開
[加藤まどみMONOist]

恐竜王国福井の実物大恐竜を設計

 冨田氏は3D CADでの設計例として、肉食恐竜「フクイラプトル」の事例を紹介した。

フクイラプトルのモデル(出典:ココロ)

 福井県は国内では恐竜の化石がとくに多く見つかる地域で、フクイラプトルも福井県で発見された。JR福井駅西口駅前広場には、ココロが制作したフクイラプトルをはじめとする動く恐竜たちが展示されている(現在は整備工事中のため一部移設中。2016年3月より設置再開予定)。

JR福井駅西口駅前広場の展示(現在は整備工事中のため一部移設中。2016年3月より設置再開予定)(出典:ココロ)

 設計フローは以下の図のようになる。

フクイラプトルにおける設計フロー(出典:ココロ)

 まず2次元図面として描いた外形線をDXF/DWGで取り込む。また立体の造形師によって作られた恐竜の模型を、3Dスキャンしてソリッドデータとして取り込む。また標準部品や同社が独自に作ったライブラリ、「Toolbox」(SOLIDWORKSの部品ライブラリ機能)なども用意する。アセンブリ後のデータから部品表や3D部品を出力し、加工図である2次元図面を出力する。これらの作業は全てSOLIDWORKSのみで行っている。

成果物の出力(出典:ココロ)
アセンブリへの入力(出典:ココロ)

 外形線を取り込むのは、2次元設計に慣れているからということもあるが、設計中は3Dデータが重いため平面で確認することも多いからだそうだ。3次元データは外部に依頼してスキャンで取り込み、STLファイルを取得した。他の企業では、3次元で設計を行い図面は2D CADで仕上げるという場合も多いが、ココロでは単品部品の加工図の出力まで3D CADで行っている。

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