SCMプロを証明する“免許証”「CPIM」とは生産管理の世界共通言語「APICS」とは(4)(3/5 ページ)

» 2016年01月29日 10時00分 公開

CSCPとの比較

 CPIMは、APICSが提供するグローバル資格のなかでは、エントリーレベルの位置付けけにある。その意味するところは、企業内のプロセスやサプライチェーンのオペレーションそのものの知識体系の習得という基礎的・実務的な能力を測るということである。語学検定などと異なり、他の資格、例えばCSCPに比べて設問が簡単であったり、試験範囲が限定されていたり、ということではない。

 グローバルでのサプライチェーン・マネジメントに求められる知識や技術の習得を測るという点は、いずれの資格も共通であるが、あえてAPICS認定の3資格を比較した場合、CPIMの特徴は、主に以下2点となるだろう。

 1つは、現場主義である点だ。特に、生産計画と管理(Manufacturing planning and control)については、かなり実務的な知識の習得が求められる。比較すると、CSCPはより俯瞰的な視点、つまり管理者や経営者の視点で把握しておくべき知識や、それに基づく判断力を問う内容が多い。

 もう1つの特徴は、より自社内のプロセスに特化している点である。CPIMでは、事業計画と需要予測との整合性や、生産リソースの調達・管理、品質管理や製品開発といった、内部要因に関わるプロセスの原則や運用・管理方法を理解することに注視している。

取得難易度

 試験科目が5つあり、うちいくつかの科目では、実務レベルまで落とし込んだ詳細な知識が問われる。知識の量としては、「広く、浅く」ではなく「広く、深く」を求められる。

 とはいえ実際のところ、試験問題にそれほど難解な設問はない。なぜなら、CPIMの目的は「企業内のグローバルな生産活動や在庫管理を理解し、評価する能力を身に付ける」ことだからだ。

 そのため特定の業界や企業でしか行われていないような極端に最先端や高度な技術、マニアックな知識が問われることはない。むしろ、どの国・地域、どの業界・企業に属していようとも把握しているべき基礎的かつ標準的な考え方、知識が問われる。いわばSCMプロフェッショナルとしての「国際運転免許証」のようなものと考えて頂ければよいと思う。とくにBSCMは全体をカバーする内容となっており、サプライチェーンに関連する人であれば当然知っておいてよい知識が網羅されている。

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