モデリングを成功させるために――持続可能なモデリングを目指してプロジェクトを成功させるモデリングの極意(6)(5/9 ページ)

» 2016年02月01日 07時00分 公開
[五味弘MONOist]

3. レビューでのコツ - なぜ具象化したの?

(10)抽象化と具象化のバランスを見る

 感覚で言えば、抽象化:具象化のバランスは3:1ぐらいです。つまり全体の1/4ぐらいが注目したい、具象化されていて欲しい割合です。この比率はモデリングの目的や種類、プロジェクト、プロダクトによって大きく異なりますので、あくまでも感覚としてだけ、参考にしてください。抽象ばかりでも駄目、具象化し過ぎても駄目、そのバランスが重要になります。

(11)なぜ具象化したのか、なぜ具象化しなかったのかを追及する

 慣れた人が行うモデリングでは、ここで違和感がないので、問いただす必要はないかもしれませんが、少しでも違和感があれば、質問して追求します。ここがモデリングの肝心になる可能性が高い部分です。

(12)変更に対して強いモデリングになっているかを確認する

 具象化したところが100%コールドスポットであれば問題ありませんが、少しでもホットスポットとなる可能性がある場合は、変更に対してどのように考えているかを質問して追及します。

(13)各モデル図が無理をせずにA4用紙に収まっているかどうか確認する

 ここでは厳し目のA4用紙に収まるかどうかでレビューします。A3用紙でも大きな問題はありませんが A4の方がきっと平和でしょう。概要図とその複数の詳細図がそれぞれA4に納まっているかどうかをレビューで確認します。

 これらのチェックリストとともに、前に紹介したメトリクスも意識してモデル図を描き上げ、レビューをします。次はモデリング成功への道の中心となる、「モデリングの継続的活動」について見ていきます。

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