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» 2016年02月09日 10時00分 UPDATE

TRIZ&TMでコマ大戦で勝てる!? コマを設計しよう(1):まずは、とにかくたくさんアイデアを出すべし! (1/4)

TRIZでコマのアイデアをたくさん出して、創造力豊かな設計者になろう!

[片桐朝彦/アイデア,MONOist]

 序章の宿題:「コマ大戦のレギュレーションに沿ったコマのアイデアをいくつか考えてみてください」

 さあ、あなたはいくつのアイデアが出てきたでしょうか? その数で成績(番付)を予測してみましょう!

  • 〜30個の人→序の口:予選敗退
  • 〜100個→幕下:地方大会ベスト16
  • 〜200個→十両:地方大会ベスト4
  • 200個以上→前頭:地方大会優勝、立派な中毒者
  • 500個以上→役力士:世界制覇の可能性あり

>>TRIZ&TMでコマ大戦で勝てる!? コマを設計しよう(序章)

>>関連リンク全日本製造業コマ大戦公式サイト

目標アイデア数=200個

 大会でそれなりの結果を出すためには、少なくとも200個以上のアイデアが欲しいところです。というのも、先人たちはたくさんのコマを作り、大会に出場する中で場数を踏み、仲間との情報交換などによる経験値(アイデア)をたくさん積み重ねているからです。

 これから参戦する、あるいは上位を狙おうとするあなたが、何個もコマを作って研究し、何回も大会に参戦し、多大な費用と時間を注ぎ込んで経験を積むとしても、先人を上回る何かがなければ、いつまでたっても追い付くことはできないでしょう。

 とはいっても、200個のアイデアは並大抵のやり方では出てきません。そこで今回は、多くの企業で実践されているTRIZを中核とした体系的手法を使いながら、実際にアイデアを考えていきたいと思います。

筆者のお願い:コマ大戦の上位常連チームがTRIZを適用した場合、きっと「鬼に金棒状態」。できたら、使わないでもらいたいですね。後進の芽をつぶすことになってしまうかも……。

問題の本質化その1:機能−属性分析

 今まで経験したことがない問題に直面したとき、最初に行うことは「システムの把握」です。コマの仕組み、原理、大会のルールなどを確認し、コマシステムの目的、コマを構成する部品とその相互関係、入力と出力の関係、周囲の環境などを把握する意味で、機能−属性分析(デバイス分析)を行います。

 コマとは、「人間の指がツマミをひねる」「その回転力が回転体を回す」「回転エネルギを保持して安定させる」システムといった感じでしょう。

 そのとき、どんな有害作用がどこから発生するか、機能の不足する作用がどこから発生するか、などを明らかにするものです(図1)。

yk_Trtmkoma01.jpg 図1:コマの属性分析

 さて図1にある下記の項目に注目してみましょう。

  • ターゲット:システムの主機能の対象物
  • 構成要素:自分たちで設計、コントロールできる要素
  • スーパーシステム:自分たちがコントロールできない要素
  • 青い矢印:有用な作用
  • 青い破線:不足している作用
  • 赤い矢印:有害な作用

 最初から完成度の高いモデルを作る必要はありません。基本的な構成要素とその作用からはじめ、その後分かってきたことを付け足していけばよいのです。これにより、相手より長く回るコマを作る上での課題が明確になってきました。

 この中で特に注目したいのが重心位置と回転体の質量、モーメントの関係です(図2)。

yk_Trtmkoma02.jpg 図2:機能―属性分析から課題の定義

 これらの値は相互に関係性があり、どれかの項目を改善すると他の項目が悪化してしまう、いわば「矛盾のかたまり」状態にあります。

 ここで登場するのが「TRIZの発明原理」です。矛盾問題を妥協ではなく、根本的に解決するためのツールで40個の発明原理を使って問題解決に臨みます。

 ちなみに次回は、これらのパラメータをタグチメソッドで最適設計に持ち込む方法を紹介します。

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