湯流れ解析精度を向上させた鋳造シミュレーションシステム製造ITニュース

日立産業制御ソリューションズは、曲面形状の流れの直進性を上げることで、湯流れ解析の精度を向上させた、鋳造シミュレーションシステムの新バージョン「ADSTEFAN Ver.2016」を発売した。

» 2016年02月09日 09時00分 公開
[MONOist]

 日立産業制御ソリューションズは2016年2月1日、曲面形状の流れの直進性を上げることで、湯流れ解析の精度を向上させた鋳造シミュレーションシステムの新バージョン「ADSTEFAN Ver.2016」を発売した。

 ADSTEFANシリーズは、鋳型内への溶融金属流入状態や凝固過程をシミュレーションし、その過程を3次元で視覚的に表現できる鋳造シミュレーションシステム。鋳造欠陥を事前に予測することで、鋳造試作回数の低減や開発期間の短縮、品質向上が可能になる。

 ADSTEFAN Ver.2016では、新しい数値解析アルゴリズムを採用し、直交差分法では不得意とされてきた曲面形状の流れの直進性を大幅に向上させた。これにより、精度の高い解析が可能な湯流れシミュレーションプログラムを提供するという。

 また、凝固解析の温度解析結果と実鋳造の温度測定結果を比較し、最適な物性値を求めるツールを搭載。解析結果と実測値の比較が容易になるという。さらに、3D CAD「SOLIDWORKS」と連携することで、ADSTEFANでのモデル作成の効率を向上させる機能も備えた。

 同社では今後英語版、中国語版を順次発売し、国内をはじめ、中国、インド、東南アジアで年間150ライセンスの販売を目指す。

photo 「ADSTEFAN Ver.2016」画面イメージ
photo 鍋の湯流れ実験結果と解析結果の比較

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