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» 2016年02月17日 06時00分 UPDATE

モータースポーツ:バッテリーを載せないモトクロスマシン、ホンダがリチウムイオン電池を採用

エリーパワーは、ホンダ・レーシング(HRC)とテクニカルスポンサー契約を結び、2016年の「モトクロス世界選手権MXGPクラス」「全日本モトクロス選手権IA-1クラス」の参戦車両にリチウムイオン電池を供給する。同社のリチウムイオン電池の車載向け採用は初めて。バッテリー搭載が珍しいモトクロスのワークスマシンへの採用という意味でも興味深い。

[齊藤由希,MONOist]
エリーパワーがホンダ・レーシングに供給する二輪車用リチウムイオン電池のイメージ エリーパワーがホンダ・レーシングに供給する二輪車用リチウムイオン電池のイメージ (クリックして拡大) 出典:エリーパワー

 エリーパワーは2016年2月16日、ホンダ・レーシングとテクニカルスポンサー契約を結び、2016年の「モトクロス世界選手権MXGPクラス」「全日本モトクロス選手権IA-1クラス」の参戦車両にリチウムイオン電池を供給すると発表した。エリーパワーとして、車載バッテリーの提供は初の事例となる。ホンダ・レーシングもモトクロスのワークスマシンとしては初めて本格的にバッテリーを搭載する。エリーパワーは今回の採用を手始めに、量産モデルにもリチウムイオン電池を提案していく。

 二輪車用バッテリーは鉛電池がほとんどだ。リチウムイオン電池は海外メーカーの高級モデルや、交換用バッテリーなど、ごくわずかな採用に限られている。エリーパワーとホンダ・レーシングは2015年にテクニカルスポンサー契約を結び、本田技術研究所とともに二輪車向けバッテリーの共同開発を進めてきた。2015年のシーズンではモトクロス参戦車両に試験的にリチウムイオン電池を搭載しており、2016年は参戦車両に正式に採用する。

 エリーパワーの主力製品は定置用リチウムイオン電池で車載用とはサイズが大きく異なるが、定置用で培った性能や安全性、生産能力が評価された。

 二輪車のバッテリーは鉛電池からリチウムイオン電池に置き換えることにより軽量化が図れるが、耐振性や耐久性を満たさなければならない。モトクロスの過酷な環境で耐久性や性能を試していくことになる。

モトクロスでは敬遠されてきたバッテリー

 モトクロス向けの車両は一般的にはバッテリーを搭載しない。モトクロスでは車体が軽ければ軽いほど有利で、重い鉛電池ではレースで不利になるためだ。また、公道を走る量産モデルとは異なり、レースでは頻繁にエンジンをかける必要がなく灯火類も不要なことからバッテリーを搭載する意義はあまりなかった。

モトクロスでは車体が軽量でなければならない モトクロスでは車体が軽量でなければならない (クリックして拡大) 出典:ホンダ

 ホンダ・レーシングが参戦車両にバッテリーを搭載することを決めたのは、リチウムイオン電池が軽量である点が大きい。また、バッテリーを搭載することで二輪車全体のパッケージとしての性能が向上することから採用を決めた。

 ホンダはモータースポーツに参戦する目的の1つに、レースの技術を市販製品にも展開していくことを挙げている。二輪車の量産モデルでリチウムイオン電池を採用する可能性も検討中だ。

 エリーパワーは二輪車向けリチウムイオン電池を2016年中にも量産モデルに向けて製品化する。先進国の二輪車市場での需要拡大を見込んでいる。川崎工場に二輪車用の専用ラインを構築し、準備を進めている。

2016年の全日本モトクロス選手権シリーズにチーム・エイチアールシーとしてIA-1クラスに挑む成田亮選手(写真中央)。成田選手が乗っている車両にエリーパワーのリチウムイオン電池が採用された 2016年の全日本モトクロス選手権シリーズにチーム・エイチアールシーとしてIA-1クラスに挑む成田亮選手(写真中央)。成田選手が乗っている車両にエリーパワーのリチウムイオン電池が採用された (クリックして拡大) 出典:ホンダ

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