機械要素がもりもりのCerevoの「ドミネーター」と開発スタッフの設計力ママさん設計者、製品発表に突撃(1/3 ページ)

家電ベンチャー Cerevoの記者発表に、MONOistの連載筆者 藤崎淳子氏が突撃! アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」の大ファンで設計者でもある藤崎氏が、同作品に登場する特殊拳銃「ドミネーター」を再現したスマートトイの量産設計や、設計者の創造性とコミュニケーション力について聞いた。

» 2016年02月19日 10時00分 公開

 皆さん、こんにちは! 2015年9月に「「PSYCHO-PASSサイコパス」の特殊拳銃「ドミネーター」再現とIoT」を公開してから約5カ月たった2016年2月5日に、「2015年度中の発売を目指します!」との公約通り、ついにCerevoが2016年3月にスマートトイ「ドミネーター」を発売すると発表しました。

 今回、私が出向いた発表会の会場では、前回の取材時から頭に置いていたある1つのキーワードを意識しながら、完成品(要は商品ですね)を操作しつつ、開発スタッフの石井氏にあらためてお話を聞いてきました。

ついに製品化! 「ドミネーター」

 なおアニメ「PSYCHO-PASSサイコパス」と同作品に登場する特殊拳銃「ドミネーター」については過去記事アニメの公式サイトをご覧ください。

試作品からさらに進化した量産品

発表会でプレゼンするCerevo 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏

 Cerevo 代表取締役CEOの岩佐琢磨氏はプロセスを振り返り、「前代未聞の機構設計だった」と語っていました。実は今回の量産にあたって変形機構を一新し、試作機とは全く異なる機構設計になっているのです。最終的に完成時の総部品点数は約1400点。そのうち機構部品は250点以上とのことで、これは前回取材した試作機に使われていた機構部品の数(90点ほど)の3倍近くになります。

ドミネータ―の部品(出典:Cerevo)

 「スマートトイ」としての安全性を確保した上で、この大量の機構部品を限られた本体スペースに収めることはもちろん、繰り返される変形動作の安定性と耐久性の保証は、考えるだけでも超々難関です。例えば、石井氏が苦労したと語る歯車のシャフトですが、細い小さな部品1つの寸法が設計数値通りに出ていないだけで、付随する他の部品まで健全に動作しなくなってしまいます。

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