特集:IoTがもたらす製造業の革新〜進化する製品、サービス、工場のかたち〜
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» 2016年03月11日 14時00分 UPDATE

いまさら聞けない第4次産業革命(1):第4次産業革命って結局何なの? (1/3)

製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。しかし、そこで語られることは抽象的で、いまいちピンと来ません。本連載では、そうした疑問を解消するため、第4次産業革命で起こることや、必要となることについて分かりやすくお伝えするつもりです。第1回目はそもそもの「第4次産業革命とは何か」を紹介します。

[三島一孝,MONOist]

はじめに

 「第4次産業革命」や「インダストリー4.0」などの言葉を聞かない日はないほど、大きな注目を集めています。4番目の産業革命とされている通り、製造業の業態についても大きな影響を与える「第4次産業革命」ですが、その認識レベルや捉え方は置かれている立場や状況で大きく異なります。また「第4次産業革命とは結局何?」という人から「抽象論は分かったから具体的な技術の話が聞きたい」など求める情報レベルも大きく幅があるように感じています。

 そこで本連載は、「いまさら聞けない第4次産業革命」とし、第4次産業革命で製造業が受ける影響や、捉える方向性などについて、分かりやすくご紹介していきたいと考えています。ただ、単純に解説していくだけでは退屈ですので、架空のメーカー担当者を用意し、具体的なエピソードを通じて、ご紹介していくつもりです。

 従業員200人規模の部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長である矢面辰二郎氏はある日、社長から「新聞で読んだけど、君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われます。この中で、矢面氏は何を考えるべきでしょうか。また、どのようなことに取り組んでいくべきなのでしょうか。第4次産業革命は現在進行形で進むもので変遷しているものですが、現在までで把握できるところをお伝えしていこうと思います。それではどうぞ最後までお付き合いください。

本連載の登場人物

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矢面 辰二郎(やおもて たつじろう)

自動車部品や機械用部品を製造する部品メーカー「グーチョキパーツ」の生産技術部長。ある日社長から「君、うちも第4次産業革命をやらんといかん」と言われたことから、話が始まる


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印出 鳥代(いんだす とりよ)

ドイツのインダストリー4.0などを中心に第4次産業革命をさまざまな面で研究するドイツ出身の研究者。第4次産業革命についてのさまざまな疑問に答えてくれる


*編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物団体などとは一切関係ありません。

第4次産業革命との出会い

 グーチョキパーツは、社員200人規模の部品メーカーです。その中で矢面氏は生産技術部長として、工場の生産ラインの構築や生産性の改善などに取り組んできています。また、その関連で設計部門とのやりとりをすることなども多くあります。

 そんなある日のことです。矢面氏は社長に呼び出されます。

 社長「矢面君、君、第4次産業革命って知っとるか。製造業が変わるってやつ。新聞にも載っているけど、あれをうちでもできへんか。取りあえず『うちも第4次産業革命やっている』っていえるようにせなあかんわ。ちょっと考えてくれへんか」。

 社長は矢面氏に一方的に話して去っていきました。さて、矢面氏は困ってしまいます。「第4次産業革命」というと、「4回目の産業革命なんだな」というくらいは想像できます。しかし、4回目の産業革命が何をさすのか、そしてそれが製造業としての業務に何が関係するのかというのはさっぱり分かりません。

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第4次産業革命の意味もよく分からないのに、どうしたらいいんだろうか?


 矢面氏は途方にくれてしまいました。

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