2015年度末! 水野的 3Dデータ関連動向まとめ3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(49)(2/4 ページ)

» 2016年03月31日 10時00分 公開

 業務用の3Dプリンタについていえば、もともと早いサイクルで次々と新製品を出してきたわけではなく、最近も特に変化があったわけではありません。一方、パーソナル3Dプリンタについては、一時期、新製品のリリースが相次ぎましたが、最近はかなり落ち着いてきたように思っています。

 3Dプリンタは紙のプリンタとは異なり、万人が買うわけではありません。この分野の低価格機でビジネスを安定させるのは難しいでしょう。また、さらに機械として安定する品質のものに最終的には修練されていくのではないでしょうか。

 出力サービスについては、2013〜2014年頃はサービス立ち上げの話題が目立っていましたが、現在はDMM、アイジェット、東京リスマチックなど、以前からおなじみの企業の話題をよく聞く一方で、新規サービスの話題をあまり聞かなくなりました。しかし、従来の試作などの用途で造形・加工サービスなどを提供してきた企業が、ビジネスの幅を広げるために、合わせて3Dプリンタによる出力サービスを提供開始するといった事例は、いまも見られます。

 そうそう。時々、「もう3Dプリンタも終わりですかねぇ〜?」なんて無遠慮な言葉を投げかけられて、ちょっとムカっとすることがあるんです。そういう時には、にっこりとして「そうじゃなくて、むしろ定着しているんじゃないですか?」ということで現状のお話をすることにしています。

 このテーマの最後に、パーソナル3Dプリンタについて個人的な話題を1つ取り上げるとしたら、自分が本誌監修で関わっていたデアゴスティーニの「週刊マイ3Dプリンタ」でしょうか。スタートは「2014年度」ですが、2015年1月5日に全国で発売が開始され、2016年の1月26日に最終号である55号が出て完結し、現在は既に実践編という延長号に入っています。55号にわたって、自分で3Dプリンタを組み立てる他、1年にわたってCAD(123D Design)とCG(Blender)でのモデリングを学べる内容になっていました。

 つい先日、デアゴスティーニ・ジャパンが出したプレスリリースによれば、約2万3000台の「idbox!」が完成に至ったとか。延長号も順調らしいので、本当に2万3000台が稼働しているかどうかは別にして、相当数の台数が世に出たことは間違いがないでしょう。さらに、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、台湾でもリリースされていることから、その台数は今後さらに増えていくかもしれません。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.