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» 2016年03月31日 17時00分 UPDATE

車両デザイン:トヨタの木製コンセプトカー「刹那」は漆塗り、シートも木製

トヨタ自動車は、家具やファッションブランドが参加するデザイン展示会「ミラノデザインウィーク2016」に出展する木製のコンセプトカー「SETSUNA」の詳細を公開。外板だけでなくフレームやシートなども木製で、一部に漆塗りを施している。

[朴尚洙,MONOist]

 トヨタ自動車は2016年3月31日、家具やファッションブランドが参加するデザイン展示会「ミラノデザインウィーク2016」(2016年4月12〜17日開催)に出展する木製のコンセプトカー「SETSUNA」の詳細を公開した。

トヨタ自動車の木製のコンセプトカー「SETSUNA」 トヨタ自動車の木製のコンセプトカー「SETSUNA」(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
sp_160331toyota_02.jpgsp_160331toyota_03.jpgsp_160331toyota_04.jpg 「SETSUNA」のフロントフェイス(左)、サイドビュー((中央)、リアビュー(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
sp_160331toyota_05.jpgsp_160331toyota_06.jpgsp_160331toyota_07.jpg 「SETSUNA」は内部フレームも木製だ(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 SETSUNAは「刹那」を指し、一瞬一瞬の短い時間の繰り返しのなかで、かけがえのないクルマとなってほしいという思いを込めて名付けられた。愛着を持って手をかけ、受け継いでいくというコンセプトを具現化するため、外板やフレームに木材を採用したことを最大の特徴としている。木製だからこそ、一般的なモーターショーではなく、ミラノデザインウィークに出展した。

ボディは取り換え可能な木のパネル ボディは取り換え可能な木のパネル(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 外形寸法は全長3030×全幅1480×全高970mmで、ホイールベースは1700mm。2人乗りで電気自動車で、コンセプトカーながら実際に走ることができる。

 こだわりのポイントは11。「家族と時を刻む100年メーター」「刹那エンブレム」「木を用いることでコンセプトを具現化」「用途に応じた木材の選定」「日本古来の伝統技法『送り蟻』『くさび』」「ボディは取り替え可能な木のパネル」「拭き漆」「家族を優しく包み込むシート」「コントラストを生み出すアルミニウム」「美しいカーブを描くボディライン」「クルマとして・・・、そしてクルマであるために…。」

sp_160331toyota_09.jpgsp_160331toyota_10.jpgsp_160331toyota_10b.jpg 「SETSUNA」の「100年メーター」(左)。アルミケースの中の短針は時間(1周=24時間)、長針は月日(1周=365日)、カウンターメーターは年を刻む。これは「幾世代にもわたって家族が『愛』を注ぎ込むことで、そのクルマが他の何にも替え難い価値あるものになっていく、クルマと家族の年輪のような持続的成長を願う、われわれのそんな想いを託した」(開発責任者の辻賢治氏)ことによるものだ。ステアリングやドアミラー(中央、右)などには、漆を塗っては表面を拭くことを繰り返す「拭き漆」を採用(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車
シートは木肌がなめらかな「栓(せん)」を採用 シートは木肌がなめらかな「栓(せん)」を採用。乗員の体が触れるところには革を張ってある(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 コンセプトカーではあるものの走行できるようにするため、構成部品である木材も適材適所の樹種を選択した。木目の鮮やかさや趣きと材質の柔らかさから外板は「杉」、フレームは高い剛性を保つ「樺(かば)」、フロアは強度が高く耐久性に優れた「欅(けやき)」、シートは木肌がなめらかな「栓(せん)」を採用した。

 さらに木目の美しさを表現すべく杉の外板は、丸太の中心に向かって切断した柾目(まさめ)、丸太の中心から適度にずらして切断した板目(いため)の2パターンを製作した。柾目はほぼ平行に木目が均等にはっきりと並ぶフォーマルな印象を与える。一方、板目は木目が柔らかで、1本の木でも同じ木目はなく、趣きのあるフレンドリーな印象を与えるとしている。

sp_160331toyota_12.jpgsp_160331toyota_13.jpg 「SETSUNA」の柾目(左)と板目(右)の比較(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 木の接合にくぎやネジを使用しない日本古来の伝統技法である「送り蟻」「くさび」などを採用した。送り蟻は接合部の強度を高めるだけでなく、締結部がすり減ったとしても「蟻ほぞ」「ほぞ穴」を部分的に取り換えることができ、本体を加工することなく使い続けられる。フレームの接合部は、部品と部品を貫通させた「通しほぞ」に「割りくさび」を用いて締結している。

sp_160331toyota_14.jpgsp_160331toyota_15.jpg 「SETSUNA」の「送り蟻」(左)と「くさび」(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

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