CarPlayの「究極のドライビングパートナー」っぷりを試す車載情報機器(4/4 ページ)

» 2016年04月06日 10時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
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アップルのクルマ観

 しかし、SiriならではのCarPlayの気軽な目的地検索は、CUEのカーナビ機能にはない特徴だった。Siriに「おなかがすいた」と言うと「このあたりに幾つかのレストランやカフェがあります。最も近いのは○○で、平均評価は××です。ここに行く場合や他のお店を調べる場合、電話をかける必要がある時は言ってください」、といった長めの返事を返してくれる。

 「トイレに行きたい」と話しかけても、Siriは調べてくれるようだ。高速道路で山間部を走っていたためか、返事は「この付近に該当する施設はありません」とのことだった。

 CarPlayが、アップルのうたう通り「究極のドライビングパートナー」であるかは、カーナビで評価が分かれそうだ。地図情報の鮮度が落ち続けるものの、操作性が作り込まれた従来のカーナビを選ぶか。それとも、地図情報が常に更新されるCarPlayのメリットを選んで使い勝手には目をつぶるか、好みやクルマの使い方によって選択が異なるだろう。しかし、日ごろからiPhoneを使いこなす人にとっては、Siriが良いドライビングパートナーになると感じられた。

 「車の中でiPhoneを使うための、より優れた、より安全な方法」なのはアップルが言う通りだろう。CarPlayを使うためにiPhoneをCUEに接続している間、メールやiMessage以外のメッセージアプリなどCarPlay非対応のアプリの通知は、着信音やバイブレーションも含めて全てオフになる。ドライバーにiPhoneを触るきっかけを与えまいとする狙いがありそうだ。

 CarPlayを実際に使ってみると、アップルは自動車に向けた機能を開発するにあたって、運転に対する集中力を削がず、操作によって運転が安全でなくなる場合はそもそも機能を使わせない、とこだわったのが伺えた。

 車載情報機器は快適装備の1つだが、運転を妨害せずにスマートフォンを使うための安全装備としての側面を考えると、CarPlayが普及する余地はもう少しあるのではないだろうか。

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