いまさら聞けない「ECHONET Lite」とその認証プロセス「ECHONET Lite」の基礎技術と認証プロセス(2/4 ページ)

» 2016年04月07日 07時00分 公開

デバイス・コントローラーとサービス

 ECHONET Lite機器は役割によって「デバイス」と「コントローラー」に大別され、「コントローラー」が「デバイス」を制御する形がECHONET Liteの基本構成となる。ECHONET Liteでは数々の「サービス」が定義されている。コントローラーが自発的に送信するサービスのうち、代表的なものを以下の表2に紹介する。

サービス 目的 受信したデバイスの行動
Get 情報を収集する 要求された情報を返答する
SetI, SetC 設定値の変更を要求する 要求が受け入れ可能か返答する
表2 ECHONET Liteの主なサービス(コントローラーが自発的に送信)

 ECHONET Liteのサービスの中には、デバイスが自発的に送信する以下のようなサービスも存在する

サービス 目的
INF 自身の情報を同一ネットワーク内の全てのコントローラーに通知する
表3 表2 ECHONET Liteの主なサービス(デバイスが自発的に送信)

 以上で紹介した「クラス」「プロパティ」「サービス」を組み合わせることにより、ECHONET Liteでは以下のような決め細やかな電文を送信することが可能である。

  • エアコンの現在の温度設定値を教えて下さい
  • 照明の照度を80%に設定して下さい
  • 電気温水器が異常状態となりました。異常コードは●●です

ECHONET Lite規格、AppendixとAIF仕様

 ここまで述べてきたとおり、ECHONET Liteでは非常に細やかな内容が規格として定義されており、家電制御として想定されるほぼ全ての電文を実現することが可能である。ただしこの目的を実現するため、ECHONET Liteの規格書構成、バージョン管理はやや複雑なものとなっている。ECHONET Liteには以下のような規格書が存在する。

分類 定義内容 バージョン管理
ECHONET Lite規格書 電文構成、ノードプロファイルクラス Version
Appendix 機器クラスと対応プロパティ Release
表4 ECHONET Liteの規格書

 このため、ECHONET Lite機器の対応バージョンを表現するためには、規格書VersionとAppendix Releaseの2種類の番号が必要である。例えば「規格Version 1.11, Appendix Release Fに対応したエアコン」「規格Version 1.01, Appendix Release Bに対応したコントローラー」といった形だ。規格VersionとAppendix Releaseには相関関係は無く、基本的にどの組合せでも使用可能である。

 また、エコーネットコンソーシアムはHEMS重点8機器(スマートメーターBルート、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、EV/PHV、エアコン.、照明機器、給湯器)に対してそれぞれの「AIF仕様書」を策定し、会員限定で公開している。これはOSI参照レイヤーのECHONET Liteの1つ上の層を規定した仕様書で、ECHONET Lite規格書とAppendixの組合せでは規定しきれない各機器固有の設定等を定めている。この「AIF仕様書」を策定することにより、ECHONET Lite機器の接続互換性のさらなる向上を目指している。

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