IoTの“ラストワンマイル”を埋める「Microsoft Azure Certified for IoT」

IoTの重要性は誰もが認識するところだが、多種多彩なデバイスが「つながる」ことを確認するのは至難の業だ。マイクロソフトの提供する「Microsoft Azure Certified for IoT」はOSやデバイスの種類を問わずクラウドへつながることを無料で認証する注目のプログラムだ。

» 2016年04月20日 10時00分 公開
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「新たなモノ」によるIoTが未来を切り開く

 ここ数年来、未来を象徴するキーワードとして語られる「IoT(Internet of Things)」だが、実のところ話者によってその定義もつながるモノの数もさまざまだ。しかし、「これまでネットワークにつながっていなかったモノ(Things)がつながることで、新たな価値を生みだす」という考えは思想として共有されており、各プレーヤーがその実現に向けて切磋琢磨している。

 組み込み機器からスマートフォン、PC、タブレット、そしてサーバまで幅広い機器を対象に製品とサービスを提供するマイクロソフトもそうしたプレーヤーの一員だ。マイクロソフトではIoTを「モノからデータが送られ、そのデータを活用することで、人々の暮らしを良くすること」と定義しており、まさに全社を挙げてその実現に向けて取り組んでいる。

photo 増大するIoTの規模とビジネスチャンス

 その取り組みは同社製品の多様さと同様で多岐にわたるが、その取り組みを紹介する前に「組み込み機器におけるIoT」に注目すると、その展開は大きく3つに分類される。1つ目は「既に存在する機器から獲得済みのデータを活用するIoT」、2つ目は「これまでネットワークに接続されてなかった機器がつながることでデータを獲得するIoT」、3つ目はコネクティッドカーやドローンなどに代表される「新たに登場したモノがデータを収集・活用するIoT」だ。

 3つの展開の内、ビジネス的な観点(一説には2020年までに250億のモノがつながり、市場売り上げ規模は約187億円にまで達する)から注目すべきは、3つ目の「新たなモノによるIoT」だろう。

 「既につながっているモノを活用する」あるいは「既にあるモノがつながる」こともIoTの1つの形態ではあるが、多くの場合それら具体例は“効率化”に着地する。過去を振り返れば、Webサイトが登場した際には検索サービスを原動力とした企業が時代の覇者となったが、IoTの時代には「新たなモノによるIoT」、つまりこれから普及する、あるいはまだ見ぬIoTデバイスを送り出した企業が時代をリードすることになる。

マイクロソフトによる「新たなモノによるIoT」の具体化支援

 話をマイクロソフトの取り組みに戻すと、同社が全社を挙げて推し進めようとしている施策は、まさにこの「新たなモノによるIoT」の具体化支援だ。同社はIoTの根幹をなす要素であるデータの流れに対してエンドデバイスからクラウドまでの全領域で技術要素を提供できる数少ないサプライヤーであり、加えて、既存資産をつないでIoTを実現する「IoYT(Internet of Your Things)」を提唱している。

マイクロソフトの「IoYT(Internet of Your Things)」では、同社製品に限らない既存資産を接続してのIoTを提唱する マイクロソフトの「IoYT(Internet of Your Things)」では、同社製品に限らない既存資産を接続してのIoTを提唱する

 IoYTが提唱だけではない証左に、同社のクラウド「Microsoft Azure」(以下、Azure)は自社Windowsシリーズだけではなく、LinuxやAndroidといったOSにも対応しており、多種多彩なデバイスへクラウドサービスを提供している。

デバイスをAzure IoT Suiteに接続すればIoTを構築できる デバイスをAzure IoT Suiteに接続すればIoTを構築できる

 そのクラウドサービスは機械学習の「Azure Machine Learning」やデバイス/サービス管理の「Azure Event Hubs」、データベース「Azure SQL Database」、それにストリーミング処理の「Stream Analytics」、対話型データ可視化ツールの「Power BI」などから構成されており、その数は60あまりに及ぶ。

 Machine LearningやStream Analyticsといった技術そのものは以前から存在していたが、非常に専門的なものとされており、価格も高く、とても一般に利用するものとは考えられてこなかった。Azureはこうした非常に専門的と言われていた技術を、クラウド化することで使い勝手を高め、そして価格を下げ、広く利用可能なものとしている。これは「技術の民主化」とも呼べる現象であり、一昔前ならば考えられなかった驚くべき事態が現実のものとなっているのだ。

 話が逸れたが、このように豊富なサービスが用意されているので、IoTデバイスの開発者は自分の開発する製品にマッチしたサービスを厳選して利用すれば開発リソースを低減することが可能であり、加えてIoTの実現に必要最小限な機能を組み合わせた「Azure IoT Suite」や、大規模なビッグデータ解析も活用できる「Cortana Analytics Suite」のようなサービスセットも提供されている。

 Azure IoT Suiteは最小限度といっても、イベント管理、ドキュメントデータベース、ストリーミング解析、機械学習、データ可視化ツールなどが含まれており、さまざまなセンサーと設備を相互接続した建物管理システムのような大規模なIoTの構築が可能だ。その一方、シンプルな予防保全システムのようなIoTならば10万円以下で構築できるというコストパフォーマンスの高さも併せ持つ。

 必要なサービスが判明しているならばそれだけを導入すれば良いし、見極めが難しいならばサービスセットを導入すればよいAzureはIoTの実現に対し、非常に“実戦的なクラウド”といえるが、加えて覚えておきたいのが、同社がAzureのサービスビジョンとして掲げる「インテリジェントクラウド」だ。

 Azureにはデータ可視化ツール「Power BI」が用意されているが、これはAzureの各種サービスを分析・解析するために利用するBI(Business Intelligence)ツールとしても機能する。IoTを駆動するのはデータであり、データから新たな価値や意味を見いだすためにBIは欠かせない。いわば、Azureは知性を持ったクラウド(インテリジェントクラウド)としての存在価値も高いのだ。また、世界に28カ所(日本も東西2カ所)のデータセンターを保有する冗長性、長年培ったエンタープライズレベルのセキュリティなどもAzureの特徴として挙げられるだろう。

IoTのラストワンマイルを具体化する「Microsoft Azure Certified for IoT」

 ここまではマイクロソフトが提供する、IoTデバイスがつながる先であるクラウド「Azure」と利用できるサービスについて説明してきたが、どんなに魅力的なクラウドサービスが用意されていても、つながらなければ意味がない。

 その接続性を担保するプログラムとしてマイクロソフトが行っているのが、「Microsoft Azure Certified for IoT」だ。これはIoTデバイスとの接続に適したエンドポイントである「Azure IoT Hub」と接続できるデバイスであることを同社が認証するプログラムであり、認証を得たデバイスはIoTデバイスとして「Azureへ接続する」「データをAzureへ送る」「データをAzureから受け取る」ことが保証される。

 このプログラムの最大のポイントは、対象とするデバイスに「制限がない」ことだ。これは文字通りの意味であり、製品分野や動作OSに関する制限は一切なく、FA用コンピュータから組み込みモジュール、パネルコンピュータまで多種多彩な製品が対象となる。

「Microsoft Azure Certified for IoT」 「Microsoft Azure Certified for IoT」のWebサイトにて紹介されている認証済みデバイス

 こちらには既に認証を得た製品のリストが公開されているが、Raspberry Pi 2やMinnowBoard Maxといったプロトタイピングに適したボードコンピュータから、ARMコアを搭載した組み込み用のLinuxモジュール、Wi-Fi内蔵MCU、産業用PCやゲートウェイまで実に多くの製品が認証を得ている。これらデバイス上で動作するOSもWindowsからLinux、Debian、mbed、TI-RTOSとさまざまだ。

 認証取得に際してデバイス側に求められる要件は少なく、端的に言ってしまえば、接続性試験のため「Azure IoT SDK」が実行できればよい。具体的には指定言語(CまたはC#、Jave、JavaScript)の実行と指定プロトコルのサポート(HTTPSないしMQTT、AMQP)がなされていればよい(一部例外あり)。必要な情報は同社WebサイトもしくはGitHubにて公開されており、最短1日で認証を得た例もある。認証に費用が発生しないことも大きな特徴だ。

 認証された機器はAzure対応機器として「Azure Certified」のバッジが得られる他、マイクロソフトのWebサイトで紹介され、プレスリリースやブログ記事などに取り上げられる機会も増えることから、つながる相手=ビジネスパートナーとのマッチング機会も増える。

 「IoTをシンプルに表現すれば“クラウドにデータを投げて、分析して、活用する”ことで、そのためにはデバイス(モノ)と接続、蓄積、分析、可視化の各要素が必要になります。昨今ではきらびやかなダッシュボードを見せるなどクラウドのPaaS(Platform as a Service)的な側面をIoTとして紹介する例もあるようですが、全てはデータありきであり、データの取得にはデバイスが必要です」

 このように“つながるデバイス”の重要性を語るのは、日本マイクロソフトの村林智氏(コンシューマ&パートナーグループ OEM統括本部 IoTデバイス本部 シニアチャネルエグゼクティブ)だ。

“つながるデバイス”の重要性を語るのは、日本マイクロソフトの村林智氏(コンシューマ&パートナーグループ OEM統括本部 IoTデバイス本部 シニアチャネルエグゼクティブ) “つながるデバイス”の重要性を語るのは、日本マイクロソフトの村林智氏(コンシューマ&パートナーグループ OEM統括本部 IoTデバイス本部 シニアチャネルエグゼクティブ)

 ただ、現状を見ると(一昔前ほどではないにしろ)、ハードウェア(デバイス)とソフトウェア(クラウド)の間には「溝」があり、技術者間の交流も決して多くない。作り込みを得意とする日本人気質が裏目に出ているという説もあるほどだ。

 IoTデバイス本部所属という立場からさまざまな企業を見てきた村林氏も「クラウド側からするとデバイス側の事情が分からず、デバイス側はデバイスを作れますが、クラウドへ“つながること”“活用すること”までも折り込むのが難しいのが現状でしょう」と現状を分析する。

 しかし、世界屈指のOSベンダーとしてサーバからPC、タブレット、スマートフォン、組み込み機器とさまざまな機器へソフトとサービスを提供し、ハードウェアとソフトウェアの双方に精通するマイクロソフトだからこそ、ハードとソフトが一体になって新たな価値を生むIoT時代に、IoTを実現するための手法論として「Microsoft Azure Certified for IoT」を提供できるのだ。

 「クラウドもデバイスも進化していますが、IoTを実現するためにはその2つが接続されなければなりません。どんなOSやどんなデバイスであっても、クラウドにつながることを認証するMicrosoft Azure Certified for IoTは、“IoTのラストワンマイル”を埋める存在といえるでしょう」(村林氏)

 加えて言えば、マイクロソフトがIoTへ提供できる価値とは、ハードとソフト(IoTデバイスとクラウド)の接続だけではない。エンタープライズ領域で培われたセキュリティに関する知見も同社ではIoT時代に重要な価値を持つとしている。

 IoTの実現した世界とはさまざまなデバイスがクラウドに直接/間接を問わず接続可能な状態にあることを指しており、それは組み込み機器であっても例外ではない。同社の組み込み機器向けOS「Windows 10 IoT」ではその技術的源流をエンタープライズ領域に持つロックダウンや定期的なセキュリティアップデートなどが提供される。

 セキュリティに関する同社の姿勢は「セキュリティ宣言」として開示されており、これは組み込み機器向けOSだけではなく、他のOSやクラウドサービスなど同社が提供する全てに適用される。つながる時代の利便性は裏替えせば情報の遍在化も意味することとなるだけに、エンタープライズレベルのセキュリティがエンドデバイスであっても確保されていることは注目すべきだ。


 2016年5月11日〜13日開催される「第19回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2016)」「第5回 IoT/M2M展」にて、マイクロソフトは「IoTで拡がるデバイスビジネスの可能性」をテーマとしたブースとセミナーで、Microsoft Azure Certified for IoTを始め、どのようにIoTを手段として組み込みビジネスを拡大していくか紹介する。

 セミナーは5月12日(木)と13日(金)の2回行われるが、参加できない場合はブースに設けられる「相談所」にて、プログラムの紹介やOS、クラウドサービスについての説明を受けることができる。

 「IoT」がバズワードから実体を持ったキーワードに変化した今こそ、データを生成するためのデバイスの重要性は高まっており、そのデバイスを実体化させる技術こそが組み込み技術だ。組込みシステム開発技術展の会場で、「IoTのラストワンマイル」を具体化するマイクロソフトブースをチェックしたい。

ESEC 2016/IoT M2M展 マイクロソフト ブース・セミナー情報

出展ブースNo:西9-3

セミナー「IoTに最適なデバイスは?Microsoft IoT戦略」会場:東京ビッグサイト 西展示棟セミナールーム

5月12日(木) 13:30-14:30 登録はこちら

5月13日(金) 11:30-12:30 登録はこちら


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提供:日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年5月19日

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