3D CADでワークステーションを使うとよい理由とはCAD読み物(2/3 ページ)

» 2016年04月25日 10時00分 公開
[CAD Japan.com/MONOist]

2.メモリエラーの修正機能

 ワークステーションはPCと違いECC対応メモリを使います。ECCとは「error checking and correction」の略で、メモリに発生したエラーを自動的に訂正する機能です。そのためより高い信頼性が求められるワークステーションやサーバで利用されます。 ECCメモリは、モジュール上にチップが9個搭載されます。ECCなしのメモリよりもチップが1個多く搭載されているのは、エラー訂正用データを記録するためです。レジスターチップは、チップセットとメモリの間でやりとりする信号を、安定化させる機能があります。またレジスターチップを搭載すると、1つのメモリモジュールに、多くのメモリチップを搭載できるようになり、より大容量のメモリが実現できるようになります。

 WSは64ビット化でも大容量のメモリを安定的に使うことが可能です。WSに搭載するDDR3企画メモリーは、8ビットずつのprefetch機能(CPUがデータを必要とする前にメモリから先読みして取り出す機能)をそなえ、理論上DDR2 SDRAMの2倍のデータ転送速度を得られます。またDDR2より低電力で駆動します。

3.高速グラフィックスの搭載

 3D CADでは、グラフィックスボードを積むことで高速なモデル表示が可能となります。NVIDIAやATIのボードが搭載可能です。ゲーム用のGeforceとの比較をされますが、安定電源供給やOpenGL対応をするためにNVIDIAのQuadroシリーズが必要です。また、この両者のグラフィックスボードは、3D CADの高速表示のために、特殊なコマンドを採用(VOB機能)し、3D CAD用にチューニングがされていることもあります。PCでは完全に不可能です。

 その他、PCとWSは、大電力が必要なグラフィックスボードへの安定電源供給設計や、熱効率設計、PCI Express2.0 x16の採用で、3D CADとグラフィックスボードを最大限引き出します。

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