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» 2016年04月25日 17時00分 UPDATE

和田憲一郎の電動化新時代!(20):三菱自の燃費不正、試験場所に“不都合な真実”はなかったのか (1/3)

2016年4月20日に三菱自動車から燃費不正の問題が公表された。しかし、公表されている内容からは、腑に落ちない点が多々ある。今回はなぜこのような不正が起こったのか、その動機は何だったのか、あくまでも私見であるが、試験内容も含めて背景から探ってみたい。

[和田憲一郎(日本電動化研究所 代表取締役),MONOist]

 MONOistをはじめ各種報道で既報の通り(関連記事:日産が軽自動車の開発を始めなければ、三菱自の不正は隠されたままだった)、2016年4月20日に三菱自動車から燃費計測試験での不正が公表された。ちょうど筆者は海外出張中であり、最初は軽自動車の「eKワゴン」と「eKスペース」、加えて日産自動車にOEM供給している「デイズ」「デイズ ルークス」の4車種で不正な測定が判明したと報道されたのを聞き、本当に驚いた。

eKワゴンeKスペース 三菱自動車が販売する軽自動車「eKワゴン」(左)と「eKスペース」(右) (クリックして拡大) 出典:三菱自動車
デイズデイズ ルークス 三菱自動車が日産自動車にOEM供給する「デイズ」(左)と「デイズ ルークス」(右) (クリックして拡大) 出典:日産自動車
筆者が開発に関わった電気自動車「i-MiEV」 筆者が開発に関わった電気自動車「i-MiEV」 (クリックして拡大) 出典:三菱自動車

 その後、4月22日になると軽自動車以外の車種、特に筆者が開発に関わっていた電気自動車「i-MiEV」までもがその対象であると一般紙などで報道された。これはまさに驚天動地、思わず「ホントなのか!」と今の今まで知らなかったことに大変なショックを受けた。

 通常、車両の開発期間はプロジェクトと実験部門では連絡を密にしている。i-MiEVの約5年の開発期間中も、筆者は数えきれないぐらい実験部門に出向き、走行試験に立ち会ったり、時には高速周回路や波状路を自ら運転したりして、一緒に改良を続けてきた。

 また、実車の衝突試験にも幾度も立ち会い、完成度合、安全性を確認してきた。このため、実車試験には恣意(しい)的な要素は何ら入る余地はないと思っていた。そのためか、今回の件はどうしても信じられないのである。

 しかし、今回の発表を機に振り返ってみると、筆者の記憶では問題となっている走行抵抗の計測試験に一度も立ち会ったことがない。試験項目は何百とあり専門的であったため、実験部門はあえて筆者に声を掛けなかったのであろうか。

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