協調ロボットのユニバーサルロボットが日本市場への取り組み強化へ産業用ロボット

人間協調型の産業用ロボットベンチャーであるデンマークのユニバーサルロボットは日本市場への取り組みを強化する。新たに代理店の拡大を図る他、日本支社を設立。協調型ロボットの市場開拓を進めていく。

» 2016年05月11日 13時00分 公開
[三島一孝MONOist]

 人間協調型の産業用ロボットベンチャーであるデンマークのユニバーサルロボット(UNIVERSAL ROBOTS)は2016年5月11日、日本向けの事業説明会を開催。新たに日本に支社を設立し人間協調型ロボットの市場開拓を強化する方針を示した。

 ユニバーサルロボットは2005年創業の産業用ロボットベンチャー。軽量で自由度の高い産業用ロボットアームを展開しており、欧州を中心に人間とロボットの共同生産ラインなどで高い評価を受けている。

photo ユニバーサルロボットの「UR3」

 産業用ロボットは安全性の問題から「周辺に柵を設けて人間が立ち入れないようにしなければならない」など、安全規制が設けられてきた。しかし、安全関連技術が発展した他、柔軟性の高い工場を実現するため、各国でも規制を緩和する動きが生まれてきている。日本でも2013年12月に従来設けられていた80W以上のロボットで必要だった安全柵規制に対する緩和が行われ、安全性を確保できる何らかの処置が行われたロボットに対しては、80W以上でも人間と共同作業を行うことなどが可能となっている。

photo ユニバーサルロボットのゼネラルマネジャーであるシャーミン・ゴットレッセン氏

 人とロボットが協調して働くことで、柔軟性のある生産ライン構築ができる他、人とロボットの得意な領域を組み合わせて生産性そのものの改善にも貢献できると考えられている。これらの世界的な生産現場の潮流に乗りユニバーサルロボットも成長を続けており、2015年までに7500台以上の出荷を行っているという。日本でも代理店を通じた販売を2012年から行っており、数百台ベースの導入があるとしている。

 日本支社設立について、ユニバーサルロボットのゼネラルマネジャーであるシャーミン・ゴットレッセン(Shermine Gotfredsen)氏は「世界的に人との協調ロボットの認知が高まってきたことや、規制緩和が進んだことなどから、支社を設立するタイミングだと考えた。基本的な販売は代理店経由で行うが、協調型ロボットの市場開拓や用途開拓、また顧客の要望などを吸い上げる機能として活用していく」と述べている。

 日本支社の場所については未定で、当初の人員は2人を予定しているという。販売代理店の拡大なども進める予定で、従来のグリーネプランニングに加えて4月から日本バイナリーが参加。今後は「自動車系、飲料・食料品系、医療・薬品系の3つの分野を軸として、新たな領域や用途拡大を共に進められるパートナーと関係を作っていきたい」と述べている。

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