三菱自動車が1カ月だけの“クラストップ燃費”に支払った代償の大きさモノづくり総合版メルマガ 編集後記

正確にいうと1カ月と10日ですが。

» 2016年05月19日 12時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 この記事は、2016年5月19日発行の「モノづくり総合版 メールマガジン」に掲載されたMONOist/EE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。


三菱自動車が1カ月だけの“クラストップ燃費”に支払った代償の大きさ

 現在、自動車業界で最もホットなキーワードは、電気自動車や自動運転ではなく、燃費不正になるでしょう。

 Volkswagen(フォルクスワーゲン)グループの排気ガス不正は、日本の自動車業界にとって他山の石として身を正すものでしかないと思っていました。日本でそんなことは起こるはずはないと。しかし、2016年4月20日に三菱自動車が軽自動車の燃費計測の不正について発表したとき、それは単なる幻想にすぎないと気付かされました。

 三菱自動車の件を受けて他の自動車メーカーも燃費計測について調査を行った結果、スズキも燃費計測の基となる走行抵抗の計測を国内法規通りに行っていなかったことを発表しています(関連記事:走行抵抗を正規に測らなかったスズキ、「燃費を良く見せる意図はなかった」)。

 まだまだ終息しそうにない燃費不正問題ですが、その原因となったのは、ダイハツ工業が2011年9月に発売した「ミラ イース」から始まる軽自動車の激しい燃費競争でしょう。

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